2024年秋に読みたい「食」マンガ19選 小説家、書店員、お笑い芸人など各界のマンガ好き推薦!「真夜中にお腹が鳴る」
◆『ハクメイとミコチ』樫木祐人/KADOKAWA
森で暮らしている小さなふたりの小人、ハクメイとミコチ。家を造ったり、葉っぱを傘にしたり、昆虫や鳥の背に乗ったり……。1話完結のほっこりとした森の日常劇。 「4巻の最後に収録されている列車旅からハクミコ沼にはまりました。寒い冬、夜汽車の中の売店でおばあちゃんが食べる揚げ山芋のしゃくしゃく感。凍える真夜中に途中駅で買った熱々の生姜天とお茶。そして、列車の乗務員が無料でくれたあんまりおいしくはないけど温かく優しいコーヒー。ハクミコに出てくる食べ物はなにもかもがうまそうで、真夜中にお腹がぐうぐう鳴る」(深緑さん) 推薦者 小説家 深緑野分(ふかみどり・のわき)さん 2010年、「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ! 新人賞人賞佳作に入選。13年に入選作を表題作とした短編集でデビュー。『戦場のコックたち』(東京創元社)『スタッフロール』(文藝春秋)で直木賞候補、本屋大賞ノミネート。『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)でTwitter文学賞国内編第一位、直木賞候補、本屋大賞ノミネート。
◆『きのう何食べた?』よしながふみ/講談社
2DK男ふたり暮らし。毎日ちゃんと仕事してごはんを作って一緒に食べる。弁護士の筧史朗と美容師の矢吹賢二の食生活をめぐる物語。 「これを超えるグルメマンガに出合える気がしません。作品としても抜群に面白いですし、メニューのチョイスが絶妙なんですよね。一時期、本作の影響でラタトゥイユづくりにハマりました」(SYOさん) 推薦者 物書き SYO(しょー)さん 映画雑誌の編集などを経て独立。映画やドラマ、マンガ、アニメといったエンタメ系からライフスタイルまで幅広く執筆。トークイベントや映画情報番組などにも出演。
◆『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』おおひなたごう/エンターブレイン
主人公の田宮は、恋人のみふゆと目玉焼きの食べ方を巡ってケンカをする。以来、自分とは異なる周囲の人たちの食べ方が気になり、仕事関係でも苦悩していく。 「グルメマンガが大好きなのですが、これは食べることが大好きな人にはブッ刺さるマンガだと思います。いつも食事をするときに感じる、少しの疑問や、人との違いを、これでもかと感じさせてくれるギャグマンガ。グルメ×ギャグの中では、私はトップだと思っています」(江上さん) 推薦者 お笑い芸人 江上敬子(えのうえ・けいこ)さん[ニッチェ] 2005年、近藤くみことともにお笑いコンビ・ニッチェを結成。「王様のブランチ」(TBS)「ノンストップ! NONSTOP!」(フジテレビ)などにレギュラー出演中。島根県のふるさと親善大使「遣島使」。