美しさだけでなく歯を強くする「ホワイトニング」、歯の表面を覆う膜を除去しフッ素を塗布するため虫歯予防効果も
女性の平均寿命は60年前と比べて20才近く延びているが、余命が20才延びると食事回数は生涯で2万回増えるという。死ぬまで自分の歯でおいしく食べるためにデンタルケアを見直すべきだ。正しい歯みがきに加え、ホワイトニングで強く輝く歯を作ることも大切だ。ジュエルホワイトクリニック広尾院長の登坂万喜さんに聞いた。 【表で解説】ホワイトニングにはどんな種類がある?それぞれの特徴を解説
「歯を強く」を実現するホワイトニングの秘訣
「歯の健康が重要視される現代では、審美歯科への意識も高まり、幅広い年齢層の人が自分の歯の色を気にしていると感じます」と話す登坂さん。 「まず知ってほしいのはクリーニングとホワイトニングの違いです。歯の表面についている汚れ(ステイン)を落とすのがクリーニングで、歯自体の色を白くするのがホワイトニングです。つまり、クリーニングで歯が白くなるわけではありません」(登坂さん・以下同) どんなに歯みがきをしても、歯は日々の生活で黄ばんでしまうものだが……。 「歯が黄ばむ原因は大きく分けて2つあります。1つ目は外的要因で、コーヒーや赤ワイン、カレーなど濃い色の食品を摂取することで歯の表面に着色汚れがつくことで起こります。 2つ目は内的要因です。歯の表面にある半透明のエナメル質が、加齢とともに摩耗して薄くなるため、その下の黄色みを帯びた象牙質の色が透けて見えてしまうのです」 黄ばんだ歯を漂白して白くするホワイトニングは、主に過酸化水素や過酸化尿素を使用する。以前は、歯がもろくなるなどといわれ、ホワイトニングは歯に悪いイメージがあったが…。 「現在使用されている過酸化水素や過酸化尿素はもともと歯周病の治療薬として研究されていた成分です。殺菌効果で口腔内環境を改善でき、漂白処置により歯の表面を覆う膜(ペリクル)を除去し、その直後にフッ素を塗布するため、虫歯予防効果もあります」 歯を美しくすることで、強くもしてくれるのだ。 ◆歯科医院のホワイトニングはエナメル質と象牙質に作用する 歯冠の表面を覆うエナメル質は人体で最も硬く、その下の象牙質は黄色。加齢とともにエナメル質が薄くなり象牙質の色が濃くなるのが、年々歯が黄ばむ要因だ。ホワイトニング専門の歯科医院では、この両者を専用の薬剤で漂白していく。