「“プールに1滴”単位でも違いが分かる」優れた嗅覚と味覚を持つウイスキー職人 世界大会で最高評価を得た「山崎25年」にも携わった職人の誇り
■“プールに1滴”「そういう単位でも違いを感知できる」
輿石さんは秋に予定している新製品の発売に向けて、試作を重ねていました。 【「山崎」ブランドマネージャー 芦田雅章さん】「日本を代表する“とっておき”を、この製品に込めたいなと思って」 テーマは“日本のとっておき”。 保管されている瓶は、全て異なる味の原酒。その全ての原酒の香り・味を記憶し、引き出し、混ぜ合わせます。 その感覚は、もはや常人では理解できない領域に達しています。
【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「“プールに1滴”でしたっけ?そういう単位のところでも、われわれは(味の違いを)感知できると思っていますので」 「もっとおいしくできるだろうとやっていくと、そういう単位のものも配合としては出てくるんですよね」 数字に直すと、100万分の1%。誤差とも思える違いを大切に、輿石さんはブレンドをしています。 この時点で、ほぼ完成していた“日本のとっておき”。でも何かが足りないような気が…。 【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「そうだ」 そうつぶやいた輿石さんが試したのは、「ミズナラ」という日本の木で作られた樽の原酒。神社仏閣の香りがするといわれています。 入れたのは、わずか数滴。 【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「(香りを嗅いで)いいと思います」 このわずかなミズナラが決め手となり、後日、正式に製品になることとなりました。
【「ローヤル」担当ブレンダー 杉下 幹さん】「ずっとこのサントリーの品質、ブレンドっていうところを守ってこられた方だっていう感じですね。もう生き字引というか」 【「碧Ao」担当ブレンダー 波来谷綾子さん】「数字では書けないような世界を感覚的に捉えて、自分たちが思う味に仕上げていくっていう」 「(輿石さんは)先輩っていうのもおこがましいなと思うくらい、遠い存在」
■職人の命・嗅覚と味覚を守る 25年変わらぬ生活
4人家族の輿石さんは、大阪で単身赴任をしています。 キッチンに立ち、夕食を作っていました。 【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「オリーブオイルと塩だけで。市販のドレッシングだと味が強すぎて」 平日の夕食はいつも、薄味のサラダとうどん。繊細な嗅覚と味覚を守るため、味の濃い食べ物は口にしません。 【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「ざっくりでしょ?男の料理。洗うのめんどくさいから同じ器で」 ブレンダーになってから25年、変わらぬ日常を続けています。 Q.普段はウイスキーを飲みますか? 【サントリー 主席ブレンダー 輿石 太さん】「あんまり飲まないんです」 「夜にウイスキーを飲んでしまうと、仕事モードになってしまうんですね。このブレンド合ってるかな?って」
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