なぜ日本には「二大政党制」が根づかないのか? 自民圧勝の選挙結果が「民意とかけ離れている」その「根本的な理由」
6月上旬に時事通信が実施した世論調査で、岸田政権の支持率が最低の16.4%まで低下。国民の中には「再びの政権交代」を期待する声も出始めている。 【一覧】「次の総選挙」で落選する裏ガネ議員の全実名はこちら…! 第一線の政治学者やジャーナリストは、その可能性をどう見ているのか。田原総一朗、御厨貴、牧原出、久江雅彦、井上達夫の各氏が「週刊現代」の連続インタビューに応じた。 田原総一朗さんのインタビューはこちら:【田原総一朗が立憲民主党に喝「本気で政権を獲る気があるんですか!?」批判ばかりで満足する野党の「怠惰と無責任」】 御厨貴さんのインタビューはこちら:【政治学者・御厨貴が語る未来の日本「私がこの国を引っ張る」という者が消え、無気力が蔓延し…そして混乱の時代が始まる】 牧原出さんのインタビューはこちら:【「国を守る」と言えない「リベラル野党」に日本は任せられない…いま「政権交代」のために左派が引き受けるべき「覚悟」】 ---------- 久江雅彦(共同通信社編集委員兼論説委員)/1963年生まれ。政治部次長などを歴任し現職。7月1日『証言 小選挙区制は日本をどう変えたか』(共編著)が発売 ----------
30年間「強い野党」が生まれなかったワケ
政治を人間の体に例えれば、政党は「上半身」にすぎません。それを支える「下半身」が国民であり各党の支持層です。上下の不整合が著しいと政治は迷走し、民意と懸け離れてしまいます。 日本がモデルとした英国、そして米国では、二大政党をそれぞれ支持する国民が存在するので政権交代が起きます。ところが日本では国民が米英ほど二層化していません。 今年は衆院選で小選挙区比例代表並立制が導入されて30年。この仕組みは本来、二大政党に収れんしていくという触れ込みで導入されましたが、自民党に対抗し得る野党は生まれませんでした。 その訳は自民党支持層、より正確に言えば、保守的な無党派層に比肩し得る野党支持勢力が存在しないからです。自民党が良いか悪いかが、投票行動の基準になっています。
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