朝紅龍、新入幕場所で初の連勝マークし星五分 ボディービルに憧れムキムキ路線で真っ向勝負【大相撲九州場所】
◇13日 大相撲九州場所4日目(福岡国際センター) 鍛え上げた筋肉は裏切らない。朝紅龍が全身のパワーとばねを立ち合いに集中させ、時疾風を後ずさりさせた。2日目に春場所優勝の尊富士を破るなど勢いに乗る相手の上体が前のめりになったのを見逃さず、はたき込んで2勝目。新入幕場所で初の連勝をマークして星を五分に戻した。 「立ち合いが肝だった。良かったから、感覚と流れではたきが出た。迷わずにできました」 177センチ、122キロ。幕内では翠富士に次ぐ軽量だ。しかし、かわす取り口は選択肢にない。真っ向勝負のために力士らしく増量に励みつつも、ムキムキ路線を貫いている。原点は、高校時代に憧れたボディービル。大会に出た経験はないが、写真撮影ではポージングのまねをして、浮き上がる筋肉を披露することもしばしばだ。
鍛えるのと同時にケアも万全。「体の機嫌を取ることが大事」を口癖に手間暇も出費も惜しまない。関取の座をつかんでからも自ら部屋の台所に立ち、タンパク質たっぷりの鶏胸肉のハムを手作りして頰張る。ドジャース・大谷も愛用する電気刺激治療器は、巡業の相棒にもなっている。 場所前に掲げた心構えは「謙虚」だが、昨年秋場所前に初参加した力士会では新十両恒例の歌の披露で一人だけワンコーラス歌い上げた。強心臓の持ち主は怖いもの知らず。自分の肉体を信じて白星へ突き進んでいく。
中日スポーツ