「生活苦のなか」海外で第2子を出産した宮村優子 「保健師が急にカウンセリングを予約して」実感した日本との文化の違い
最近は日本も産後ケアに力を入れ始めているようですが、私がオーストラリアで出産したのは10年以上前のことです。何事もガマンしない、つらかったらすぐに周囲に伝えるのが当たり前で、周囲も産後ママがつらくないようケアしてくれる環境だったと思います。街の人たちも子連れにすごく優しくて、大きなベビーカーを持ってバスに乗ろうとすると、すぐに周囲が手伝ってくれました。赤ちゃんが泣いても誰も気にしませんでした。すごくおおらかで過ごしやすかったです。
いっぽうで、衛生面では日本のほうが安心できると思いました。日本はどこも清潔だし、ママたちもお手拭きを常備していて、すぐに赤ちゃんの手や口を拭いています。オーストラリアでは大人も裸足で歩いたり、子どもがショッピングセンターの遊具をなめても気にしないみたいなところがあり、大丈夫かな?と心配になりました。日本とオーストラリアの文化に触れ、両方のいいところを取り入れたら最強だなと思いました。
■「大忙しだけど気楽」シングルマザーの実感 ── 離婚後、2018年に日本へ帰国。現在はシングルマザーとして2人のお子さんを育てているそうですね。 宮村さん:シングルマザーになって一番大変なのは、仕事も育児も全部ひとりでこなさないといけないことです。物理的に手がたりません。何かあったとき相談できるパートナーがいないので不安になるときもあります。とはいえ、すべて自分で決めて、思った通りに動けるから、身軽だし気楽です。子どもたちはいずれ私の手を離れていくから、ちゃんと自立してひとりで生きていけるようになってほしいですね。
海外に移住して出産・離婚を経験し、シングルマザーとして子どもを育てていくうちに、精神的に強くなったと思います。私はパートナーを甘やかしすぎるところがあるようで、あんまり結婚には向いていないかも。その代わり、周囲の女友だちには恵まれています。みんな自立してしっかりした人が多いんです。「老後はみんな一緒に、最期まで楽しく過ごしたいね、健康で頑張ろう」と話しています。そういうことを話せる女友だちがいるのはすごく心強いし、老後が楽しみでもあります。