もう一度観たい!リプレイ回数が最も多い『THE FIRST TAKE』の名シーン
一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取ってきた『THE FIRST TAKE』のなかでも、視聴者が「もう一度観たい!」と繰り返した“リプレイ回数が最も多いシーン”にフォーカス。なぜ、その楽曲のその場面が視聴者の心を掴んだのかを解説していく。 動画:ユーザーが何度も繰り返し視聴した、リプレイ回数が最も多いシーン ----- ■Da-iCE - スターマイン / THE FIRST TAKE 2022年8月22日にリリースされた「スターマイン」は、TikTok総再生回数5億回を突破し、『第64回 日本レコード大賞』で優秀作品賞を受賞したDa-iCEの代表曲のひとつである。 『THE FIRST TAKE』では、ボーカルの大野雄大と花村想太に加え、本楽曲の作詞曲を担当したリーダー・工藤大輝の3人で出演し、サポートはアコギとガットギターのみという出演の為に構成されたスペシャルアレンジにてパフォーマンス。 リプレイ回数最高値となったのは、本来は花村想太がひとりで歌う“あぁ 一発じゃ足りないのかい”のこぶしの効いた“あぁ”という出だしを大野雄大が一緒になって歌い出した0:54の場面。 『THE FIRST TAKE』への出演を重ね、独特な緊張感ある空気にも慣れてきたことに加えて、「スターマイン」自体が遊び心をもって楽しみたくなる楽曲だからこそ生まれた“かぶせ”。 花村が「この緊張感でよくやるね! 落ち着いてください」と大野にツッコミを入れつつ、工藤にも「大輝くん、落ち着いてくださいね」と念押しすると、「任せろ、お前。俺、リーダーだぞ」という頼もしい返答が。今になって思うと、完全に視聴者が弄ばれた“フリ”なのだが…仕切り直すと、今度は工藤大輝が歌い出すという花村も笑ってしまう展開に。 緊張と緩和を巧みに活かしたDa-iCEのチームワークの良さも感じられる、名シーンである。 ----- ■FRUITS ZIPPER - わたしの一番かわいいところ / THE FIRST TAKE 『THE FIRST TAKE』に初登場したFRUITS ZIPPER が披露したのは、TikTokで9億回再生を突破し(※2024年11月13日現在では24億回再生を記録/ASOBI MUSIC調べ)、SNSを中心にバイラルヒットした「わたしの一番かわいいところ」。 画面下から「じゃーん!」と元気よく登場し、早速キュートさ全開の彼女たち。ヘッドホンを装着すると「(スタジオに)本当に誰もいなくなっちゃうんだね!」「ドキドキの音入りそう」と初々しい様子を見せる7人。 そんな彼女たちのリプレイ回数最高値は2:53。 メンバー横並びの引き画だが、この後に手招きするように“ね!ね!ね!”と呼びかけるフレーズを松本かれん、早瀬ノエル、月足天音、仲川瑠夏、鎮西寿々歌、真中まな、櫻井優衣の順でメンバーが歌っていくソロシーンがあるため、その直前の場面が繰り返し再生されたようだ。 短いひと言ながらも、天真爛漫に“ね!ね!ね!”と呼びかけたり、内緒話をするように囁いてみたり、かまってほしそうに声がけするなど、一人ひとりの個性が出ていて、何度も見たくなるほど中毒性が高い。 ----- ■KANA-BOON(谷口鮪)× ネクライトーキー(もっさ) - ないものねだり / THE FIRST TAKE 「ないものねだり」が制作されたのは2011年頃。楽曲とともにKANA-BOONの名が多くのリスナーに知れ渡ることとなった、彼らの転換点ともいえる一曲だ。 男女の言葉の掛け合いをユーモラスに描いた同曲を、『THE FIRST TAKE』ではネクライトーキーのもっさを迎えて披露。谷口鮪(Vo、Gt)曰く、「ないものねだり」を女性ボーカルと一緒に歌うのが長年の夢だったという。 ちなみに、『THE FIRST TAKE』でアーティスト同士がコラボレーションするのは本動画が初。リプレイ回数最高値となったのは3:12の、谷口ともっさがアイコンタクトをとる場面。 谷口がもっさをリードしようとキメているが、この後すぐに歌うはずの谷口がタイミングがズレて歌詞を飛ばしてしまい、そんな谷口をもっさが笑顔で見守るというハプニングシーンへと繋がっている。 楽曲が終わり、「…間違えました」と謝罪する谷口と「すみません、私も!」と謝るもっさの緊張から開放された様子も微笑ましい。 ----- ■岡崎体育 - なにをやってもあかんわ / THE FIRST TAKE 2019年1月9日にリリースされた3rdアルバム『SAITAMA』の収録曲であり、NHKのレギュラー番組内の企画を機にSNSを中心に話題を集め、『TikTok年間楽曲ランキング2019』で1位を獲得した「なにをやってもあかんわ」を披露した岡崎体育。 『THE FIRST TAKE』では、ポテト探検隊(バンド)とともにパフォーマンス。フレームの外からドタドタと岡崎体育の走る音が聞こえて、マイクスタンドの前に立つと「ヨイショー! アァァァー!」と叫んで勢いよく演奏がスタート。 リプレイ回数最高値は0:36で、序盤から歌詞を間違えるという場面だ。歌い終わった後に「いきなり歌詞間違えました!」と反省する、岡崎体育。 まさに“なにをやってもあかんわ”な状態ながらも、パフォーマンスはそのまま続行。エアギターをしたり、曲間に自身のお腹を叩いてみたりと、視聴者をも巻き込んで楽しもうとする姿勢に魅了される。 ----- ■千葉雄喜 - チーム友達 / THE FIRST TAKE 2022年に引退したKOHHが、本名の千葉雄喜名義で音楽活動を始動し、リリースした「チーム友達」。 国内のみならず、グラミー賞を含む計40にもおよぶ受賞歴を誇るアメリカのシンガーでありラッパーのクリス・ブラウンをはじめ、バン・B、デューク・デュース、NLE・チョッパー、ミーガン・ザ・スタリオンなどの世界的アーティストがSNSで反応し、瞬く間に注目を浴びた一曲を『THE FIRST TAKE』でメディア初パフォーマンス。 リプレイ回数最高値を叩き出したのは0:37。動画公開当初、サムネイルも千葉雄喜ひとりだけだったのもあり、千葉ひとりでパフォーマンスするのかと思いきや! この日のために集まった“友達”が続々とスタジオへ。想像以上の大人数がスタジオに集結した、“友達”勢揃いシーンに注目が集まったようだ。 そんな大勢の“友達” 総勢23名とともにマイク前にスタンバイした千葉の「お願いします」という第一声から始まった「チーム友達」は、とてつもないグルーヴを生み、圧巻の迫力を放った。 時折、千葉が仲間たちを見て嬉しそうに笑みを浮かべ、『THE FIRST TAKE』史上最もアットホームなパフォーマンスではないだろうか。 ----- ■『THE FIRST TAKE』でしか観ることのできない特別感 「白いスタジオに置かれた一本のマイク。ここでのルールはただ一つ。一発撮りのパフォーマンス」 というシンプルなルールを設け、これまで数々のアーティストの熱量高いパフォーマンスを届けてきた『THE FIRST TAKE』。 普段のライブとは違う特別な緊張感が漂う環境下、アーティストの思いがけない表情や思わぬハプニングをも切り取ってきた。 本コラムを通じて見えてきたことは、“この瞬間、ここでしか観られないもの”という『THE FIRST TAKE』ならではの“特別感”こそ、視聴者が何度も観たくなる瞬間のようだ。 TEXT BY 真貝聡
THE FIRST TIMES編集部