愛すべきマイペース、寛一郎「もうこの仕事、やりたくないと思ったことは何度もあります」
知性と童心の両方をバランスよく持っている人は素敵だと思う
── 「やりたくない」と思ったことは何度もあるなか、続けてきた理由はなんでしょう? 寛一郎 (しばらく間)。いや、役者以外の仕事は考えられないというわけじゃないんです。俳優を辞めて、別の仕事を始めることも可能だとは思うのですが、それが本当に僕なのかなって考えてしまって。役者という職業を言い訳に生きている感じがします、今。 ── 老婆心ながら、以前は、「心から楽しめること」がなかったと話されていましたが、今は何か楽しいこと、あります? 寛一郎 う~ん、なんですかねえ……。 ── ……ないですか? 寛一郎 (笑)。サウナはよく行きますね。あと寝ることと散歩が好きですね。 ── 散歩は景色を楽しみながら……? 寛一郎 景色はねぇ、必要ないんです。考えながら歩くのが好きなんです。歩いているうちに、頭が働いてくるんです、僕の場合。歩いていると想像も広がっていくので、考えごとに適しています。だから景色はあまり見ていないんですよ(笑)。といっても、ランニングマシンを歩くのはダメで、やはり外を歩きたい。わかってもらえます、この感覚?
── なんとなくわかります(笑)。サウナは定期的に行っているんですか。 寛一郎 そうですね、サウナは、散歩とは逆で頭を空っぽにするために行っています。 ── 最後に、Web LEONのインタビューでいつも聞いている質問を。寛一郎さんにとって、カッコいい大人とは? 寛一郎 え、それ、僕が聞きたいですよ! ここにいる皆さんに。後で、それぞれ答えてもらっていいですか(笑)。僕の場合、そうだなぁ、知性と童心の両方をバランスよく持っている人は、素敵だなと思います。 ── 具体的にイメージされる方はいますか? 寛一郎 あまりいないんですよ……。知性のある男性って、やはり素敵ですよね。それに、知性って年齢を重ねていくうえで、積み重ねていかなければならないことのひとつだと僕は考えていて。でもロジカルばっかり話されても面白くないじゃないですか。きちんと物事がわかっているけれど、子どものような純粋さを持ち合わせている人がカッコいいと思うのですが、そういう人、あまりいなくないですか? いたらぜひ教えてください(笑)。 ── 私たちから見ると、「家にあんな素敵なお父さんがいるんだ、すごいな」と、単純に思ってしまいますが(笑)。 寛一郎 父のカッコいいところはもちろんたくさん知っています。尊敬できる部分もあります。でもその分、ダメなところもたくさん見ているんで(笑)。だって、父親ですから。