春の“賃上げ”実態 お給料に変化あり?なし?……大企業「満額回答」中小は“難儀” 温度差ナゼ『every.気になる!』
■“賃上げムード”に温度差あり
生活に直結する"賃上げ"に、2024年の"期待度"は高かったようです。 通信系正社員(30代) 「(賃金)上がります。世間的に(賃上げの)動きがあったと思うので、うれしいです」 2024年の春闘でも大手企業を中心に「満額回答」が相次ぎました。賃上げムードが高まっているのかと思いきや… 医療系正社員(40代) 「(賃金は)上がらないです。大企業は賃上げになっているんでしょうけど、末端までは全然実感がない」 中小企業に勤める人の中には、「賃上げはない」との声も… コールセンター正社員(50代) 「社内では上げてほしいっていう声は出ています。今(手取り)35万円。40万くらいあったらうれしいですよね」 配送業パート(40代) 「子どもの学費もこれからかかってくるので、少しでも上がると本当助かるというのが正直な気持ち」
■中小企業「予定なし」3割
給料が上がらない分は、節約でまかなうしかないという人が多くいます。 教育関係勤務(30代) 「余計なものは買わない。洋服とか必要なければ買わない」 3月、800以上の中小企業に行われた調査では、今年「賃上げの予定はない」と答えた企業が3割を超える結果に。
■中小“賃上げ”が難しいナゼ?
茨城県つくば市にある、食品加工メーカー「筑波ハム」を訪ねました。 従業員 「きのうできたばかりです。スライスします」 地元の食材を使ったベーコンやハムなどを製造・販売する中小企業です。パートなども含め30人ほどの従業員がいますが… 筑波ハム 代表 齋木一素さん 「毎年毎年ベースを上げていくっていうところに限界は感じています、正直」 2024年、社員全員一律の賃上げは難しい見通しで、一部の社員に絞って検討しているといいます。
■“値上げ”も難しい中小の苦悩
賃上げが難しい大きな要因は… 齋木代表 「豚肉の価格ですよね。あとパックしますので、そこの資材費も上がっている」 2023年と比べて20%ほど仕入れコストが上がり、利益を圧迫していること。商品の値上げは、お客さんが離れてしまうのではと、大手企業よりも慎重にならざるを得ず、価格転嫁が難しいといいます。 齋木代表 「物価高なので従業員に還元しないと、生活も立ち行かないのもわかっているので、何とか固定費を削減する」 こちらの企業では製造工程の見直しや、光熱費削減など地道にコストカットすることで、賃上げを実現したいということです。 (4月22日『news every.』より)