「能代カップに出たからこそわかることがある!」…大会の意義・夏への意気込みを聞く【前編】
能代カップ2024が5月3日から5日まで、能代市総合体育館で行われた。大会結果は、優勝は開志国際高校(新潟県)、2位が藤枝明誠高校(静岡県)、3位が東山高校(京都府)、以下、日本航空高校(山梨県)、駒澤大学附属苫小牧高校(北海道)、 そして県立能代科学技術高校(秋田県)の順位となった。 今回で37回目を数える歴史あるこの大会は、田臥勇太(宇都宮ブレックス)をはじめとする能代工業高校(現・能代技術科学高校)OBたちがプレーしてきたことでも知られている。能代工業高校と覇を競い合った出場チームはその年の高校タイトルを目指す有力校を中心に、国体の選抜チームの場合もあった。 さらにはアメリカ高校バスケ界の強豪、モントロスクリスチャン高校といった海外のチームも含まれている。ちなみにモントロスクリスチャン高校が出場した際には現在、アルバルク東京のジェネラルマネージャーを務める伊藤大司氏が在学しており、能代カップで凱旋帰国を果たしている。さらにチームメートには後にNBAでプレーするグレイビス・バスケスがおり、その卓越したプレーで目の肥えた能代のバスケファンを唸らせた。 加えて、能代カップの開催時期の絶妙さも、この大会の存在意義を大きくしていると言える。大会が行われるにはゴールデンウィーク期間中。これが終わると、各地のインターハイ予選はちょうど佳境を迎える時期となる。強豪同士が競い合うことで、初めて分かる自分たちの課題や問題点がうかびあがってくる。参加チームは大会を通して自分たちの力を確認して、“宿題”を持ち帰り、さらに強化を進めていくことになる。 そこで、今回出場したチームに能代カップに出場することの意義や今後に向けての意気込みなどを聞いてみた。
能代カップはバスケの聖地で行わる大切な大会。耐える気力を養える
第1試合の日本航空戦を逆転のブザービーターを食らい逆転負けを喫した開志国際。しかし、その後は、安定した試合運びで4勝1敗として、勝敗で並んだ藤枝明誠との直接対決の結果により、第37回大会のチャンピオンとなった。ちなみに今回の優勝でコロナ禍により中止になった大会を挟んで初優勝から4連覇を達成した。 大会を振り返り、富樫英樹コーチはキャプテンで司令塔の清水脩真が体調不良によりぶっつけ本番だったことを明かした。それもあり「1試合目はそれが出たかな。2試合目から良くなりました。久しぶりにフルメンバーで試合をしたので、コンビネーションも尻上がりに良くなりましたね」と試合をするごとに調子を挙げていったチームに手応えを感じたようだ。 現在、1年生の高橋歩路(横手市立十文字中学、NBANOSHIRO BASKETBALL ACADEMY出身)を将来性を見込んでスターターに抜擢している。これについて、「リバウンドは弱いのですが、よくやっていると思います」と富樫コーチは及第点をつけた。 「実は2年生のポイントガードを連れてきてない状況です。戻ってくれば清水の負担も減るはず。インターハイには万全な態勢で臨みたいと思います」と夏の本番を見据えた。 「能代カップはやっぱりバスケの聖地で行われる大会」と、富樫コーチは能代カップのイメージを話してくれた。「実は4連覇中で縁起の良い大会でもあります(笑)。ここで公式戦のような雰囲気の中で試合ができるのはありがたいですね。リーグ戦でスケジュール的にも厳しいですが、耐える気力を養うこともできる。ずっと続いてほしいと思います」