桜島で噴火 噴火警戒レベルを5に引き上げ 気象庁
鹿児島市の桜島南岳山頂火口で24日午後8時5分頃、爆発的な噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から約2.5キロまで達した。 気象庁は噴火から45分後の午後8時50分、桜島の火山活動が非常に活発化しているとして噴火警報を発表し、噴火警戒レベルをこれまでの3(入山規制)から5(避難)に引き上げた。桜島の噴火警戒レベルが5になったのは初めて。
大規模噴火は想定していない
気象庁はさらに午後10時50分から記者会見を行った。気象庁の中辻剛・火山監視課長は「南岳山頂火口および昭和火口から約3キロ以内の居住地域では、大きな噴石に厳重な警戒が必要」としたほか、「風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るので注意。爆風に伴う大きな空振で窓ガラスが割れるなどのおそれがある。今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があるので留意を」と呼びかけた。 なお、桜島の噴火警戒レベルの5には、「これまでみられたような噴火が激化した場合」と「大規模噴火の発生が切迫している場合」の2ケースがある。大規模噴火というのは、例えば今から100年以上前の1914年1月に発生した「大正噴火」のようなものが想定されている。 今回の噴火について、中辻課長は「山体が膨張している量は、大正噴火ほどではない。大正噴火の時は激しい大きい地震が起きたり、目に見えて大きな地殻変動が起きていた。そこまでは想定していない」などと説明。「大規模噴火の発生切迫」のケースにはあたらないとした。