「干し芋」誕生200年 発祥の地・御前崎で生産盛期 甘く柔らかく
1824年に今の御前崎市で製法が確立し全国に波及したとされる同市発祥の特産品「いも切り干し」(干し芋)の生産が、200周年の今年も盛期を迎えた。寒冷な「遠州のからっ風」と全国屈指の日照時間を誇る御前崎の風土がサツマイモを素早くよく乾かし、軟らかく甘い上質の干し芋を生んでいる。 同市白羽の斎藤農産(斎藤丈雄代表)では20日、せいろに載せてからっ風に当てる屋外の乾燥棚から、ビニールハウス内の天日干し場にイモを移した。作業を担当した斎藤道雄さん(70)によると、自家農園で「紅はるか」品種のサツマイモを収穫した後、一定期間熟成させ糖度を増してからいも切り干し作りに入る。角形や平型に切り分けてからっ風と天日で乾燥させ、4、5日で仕上がる。 道雄さんはせいろから外した黄金色のイモを天日によく当たるように裏表を入れ替えつつ「干し芋は風と太陽の恵み。例年通りおいしくできている」と笑顔を見せた。いも切り干しの生産は1月末まで続く。
静岡新聞社