「旧ジャニーズ問題」がまだ解決とはほど遠い理由
旧ジャニーズ問題は今後どこに向かうのかーー。 4月10日、旧ジャニーズ事務所のタレントをマネジメントするSTARTO ENTERTAINMENT社(以下STARTO社)の公式サイトが開設され、同日に東京ドームで、初イベント「WE ARE! Let’s get the party STARTO!!」が開催された。 一方、同日にはジャニー喜多川氏の性加害に関するドキュメンタリー番組を制作した英BBCのモビーン・アザー氏、メグミ・インマン氏による記者会見が行われた。会見では、問題はまだ解決していないことが強調され、SMILE-UP.社、およびSTARTO社の対応に対して、厳しい批判がなされた。
BBCのドキュメンタリー放映から1年あまり。旧ジャニーズ事務所は解体を経て、再生へと向かいつつあるはずだ。しかしながら、依然としてアクセルとブレーキが同時に踏まれているような、スッキリとしない状況と感じる人も多いのではないか。いまだ先行きは不透明なままだ。 ■旧ジャニーズ事務所の再生に不可欠な3つの要素 現時点の状況を整理しておこう。まずはSMILE-UP.社の発表では、被害者への補償について。2024年3月29日時点の補償受付窓口へ申告した人973人に対し、補償内容を413人に通知、補償金の支払者数は324人となっている。なお、4月15日の発表では、支払者数は354人まで増えている。この数字をどう見るかは人によるところだろうが、これだけの数の人への補償が進んでおり、着実に対応は進んでいるようにも見える。
しかしながら最近、ジャニー氏による性加害について、英BBCの2本目のドキュメンタリーが発表されている。また、直近で行われた記者会見でも批判されたように、ジャニー氏以外の2名の性加害者への対応、被害者に対する誹謗中傷の問題など、解決できているとは言いがたい問題も残されている。 一方のSTARTO社については、4月に新会社が本格的に立ち上がったが、ファンクラブや版権、資本の問題など、SMILE-UP.社との関係でいまだクリアになっていない点も多々残されている。