韓国株が下落、通貨ウォンは上昇-尹大統領が一時的な戒厳令
韓国銀行(中央銀行)の金融政策委員会は午前9時(日本時間同)から臨時会議を開催し、経済と市場を保護する対策について議論した。同中銀は会議後、安定性確保のため、必要に応じて短期の流動性を高め為替市場で「積極的な」措置を講じる方針を示した。
韓国関連の資産は、中国の景気低迷やトランプ次期米大統領の関税を巡る脅しを受け、世界でパフォーマンスが最も悪い資産の一つと化している。通貨ウォンは今年に入り対ドルで約9%下落し、アジア通貨の中で最も弱い。韓国総合株価指数は約8%下落している。
市場の変動拡大を受け、当局はウォンを支援する考えを示している。ただ投資家は、企業価値向上に向けたプログラムをはじめ、市場関連のさまざまな政策への痛手を見込んでいる。
ブルームバーグがまとめたデータによると、韓国の株式指標は現在、1年先の予想簿価の約0.8倍で取引されている。これに対してMSCIワールド指数は2.9倍だ。
フィボナッチ・アセット・マネジメント・グローバルのユン・ジュンイン最高経営責任者(CEO)は、「尹氏の政治キャリアは終わりに近づいているようだ」と指摘。「短期的には買いの好機、長期的には韓国ディスカウントの問題は継続し、成長の逆風となるだろう」と語った。
原題:Yoon’s Martial Law Gamble Roils Korean Markets, Hurts Reforms、Korean Won Gains, Stocks Dip After President’s Brief Martial Law, Bank of Korea Pledges Steps to Keep Markets Stable After Drama(抜粋)
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Youkyung Lee, Matthew Burgess