俳優・風間俊介が“あのときだからこそできた”と振り返る『金八先生』兼末健次郎の名シーン
今年5月に発表された「役者のドラマ出演ランキング」(ニホンモニター)で6位にランクインしたとおり、いまやテレビドラマに欠かせない存在である俳優の風間俊介さん。好青年から良心のない殺人鬼まで、自由自在に“人間”を演じ視聴者にそのつど印象的な余韻を残してくれる風間さんの、THE CHANGEとは。【第1回/全5回】 ■【画像】かわいい!風間俊介さんが砂時計と戯れるお茶目ショット■ 取材をはじめようと、お互いに挨拶を終えたときだった。風間俊介さん(41)が筆者のノートパソコンをじっと見つめる。 「みどりちゃんじゃないですか!」 この日、朝から合同取材と数社の個別取材をこなし疲れているはずの風間さんだが、筆者のパソコンに貼られた漫画『少女椿』の主人公・みどりちゃんのステッカーを見て、そんなことをみじんも感じさせない気さくな声をあげる。 「僕、実写版の映画に出ているんですよ」 とたんに、取材場所に穏やかな空気が流れるのだ。 11月から上演される、約3年ぶりとなる単独主演舞台『モンスター』で、深い闇を抱える新人教師・トムを演じる風間さん。対峙するのは若手実力派俳優の松岡広大さん(27)。母親を自死で失くして祖母と暮らすも、複雑な家庭環境からか不規則な言動を繰り返し、周囲にひりつくような緊張感を与える14歳の少年・ダリルの役を担う。ーーという登場人物の輪郭だけをなぞると、どうしても想起してしまうのは、風間さんの存在が全国区となったドラマ『3年B組金八先生 第5シリーズ』(TBS系/1999年放送)ではないだろうか。 「たしかにトムの職業は教師ですが、この舞台を“教師×生徒”の関係性で考えていませんでした。それに、金八先生はどこかウェットさがありましたが、トムは生徒であるダリルに情熱を注ぐような接し方ではなく、マニュアルに沿ったようなドライさがあるんです。台本を読んで、トムは"教師×生徒”ではなく、仕事としてダリルと対峙しているような感覚を覚えました。教師というよりスクールカウンセラーのほうが近いような立ち位置かもしれません」