皮膚がんができる意外な場所、目や爪の下にも、セルフチェックのポイントは
皮膚がんができる意外な部位6例
皮膚科医によると、日光があまり当たらない、まさかと思うような場所であっても、皮膚の健康状態を常にチェックすることが重要だという。チャールズ氏は、「ほとんどの皮膚がんは、目で見て発見できる可能性があります」と言う。皮膚がんができる意外な部位をいくつか挙げてみた。 【手や足の爪】「偉大なるボブ・マーリーの命を奪ったのは、最初に足の爪の下にできたメラノーマでした」とチャールズ氏は言う。爪の下の皮膚にできるメラノーマは、足の親指や、手の親指と人差し指にできることが多く、爪に黒や茶色の縦線がよく現れる。爪下のメラノーマは比較的まれではあるが、黒人、アジア系、ヒスパニック系のメラノーマの中では最も多い。 【耳】耳は日光によく当たる反面、自分では見えにくい部位で、複雑な形をしているため、皮膚がんを見落としやすく、診断が遅れる患者が多い。 【目】まれではあるが、目の中にできる皮膚がんもあり、虹彩(こうさい、瞳孔の周りの色がついている部分)や白目に黒い斑点ができることがある。まぶたにできることもある。「メルケル細胞がん」は表皮(皮膚の外層)の基底部にあるメルケル細胞ががん化するまれながんで、あらゆる部位にできるが、まぶたでは小さくて固いしこりとして現れる。最も進行が早いがんの1つで、死亡率は40%と高く、再発率も高い。 【性器】皮膚がんは、日光にさらされることがほとんどない陰茎や外陰部の皮膚や、膣や子宮頸部にできることもある。これらの部位の皮膚がんは、通常、日光を多く浴びる部位の皮膚がんと同じ経過をたどり、ほくろのような病変が時間とともに変化することが多い。 【足】皮膚がんは足の裏にもできる。米国皮膚科学会によると、アフリカ系とアジア系ではメラノーマができる部位は手と足が最も多いという。足の指の間、足の裏、足の甲と側面をチェックしよう。 【頭皮】外出時に顔に日焼け止めを塗ることはあっても、頭部はおろそかにしていないだろうか? 頭皮のメラノーマは脱毛症や薄毛の人に多いが、しっかりした毛髪の下に隠れていることもある。だから皮膚科医は、屋外に出る前に頭部にも日焼け止めスプレーをかけることを勧めている。 意外な部位にできる皮膚がんの長いリストを見せられると不安になるかもしれないが、チャールズ氏によれば、目ざとい友人やパートナーがいて、しっかりした皮膚科医にかかることができれば、ほとんどの皮膚がんは驚くほど見つけやすいという。 「あなたの大切な人たちの言葉を信じましょう。彼らはあなたには見えないところを見ています」とチャールズ氏は言う。気になる部分に自分で気づいたら、できるだけ早く皮膚科医に相談しよう。「皮膚がんは、早期に発見して治療すればするほど、予後が良く、傷跡が小さく、遠隔転移の可能性も低くなります」