女子バレー、久光を3冠に導いた中田久美監督の意識革命
試合後、長岡はこう言った。 「久美さんの言葉に答えはないけど、ズシンと響くんです」 対話を重視し、これからの可能性を秘めた若いチームに、新指揮官が1つずつもたらした意識改革の成果は、女子史上初の三冠獲得という快挙につながった。 「すごいのは私じゃない。応えてくれた、選手たちですよ」 いたって謙虚に。だが、目線の先にはもっと大きな頂がある。 「日本一が目標じゃない。ウチの目標は世界です」 三冠は、これからにつながる序章に過ぎない。 (文責・田中夕子/スポーツライター) ―――――――――― 神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。共著に「海と、がれきと、ボールと、絆」(講談社)。「SAORI」(日本文化出版)、「夢を泳ぐ」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」(カンゼン)など、女子アスリートの著書では構成を担当。