「頭の中は今も息子のことばかり…」遺族が慰霊登山 御嶽山噴火からまもなく10年 死者・行方不明者63人 70代夫婦は年々、登山きつくなるも…山頂で捧げた祈りとウイスキー
荒井寿雄さん(82): 「10年ね…早いような遅いような、私は死んだような感じでした。もう10年ボーっとして、本当は忘れればいいんだろうけど、それを忘れることができなくて。お父さん、頑張って来たよって。多少でも喜んでくれるかなっていう気持ちです」
遅れて登頂 捧げた祈りとウイスキー
午後0時45分、堀口さん夫婦が遅れて剣ヶ峰に到着しました。 堀口純一さん(77): 「南無妙法蓮華経」 寺の住職でもある堀口さん。供養のお経を唱えました。
そして英樹さんが亡くなったとみられる場所に向かって英樹さんが好きだったウイスキーを捧げました。 堀口純一さん(77): 「この辺だな」 あの日、最後に撮影された写真。英樹さんが立っていた場所に2人で立ちました。 堀口純一さん(77): 「頭の中に息子のことばかりあって離れない。この10年たって半分くらい胸の中に落ちてきたけど、余計に寂しくて悲しい。ひょっとすれば帰ってくるのではと、無意識にそんな気持ちに。親としては供養してやるしかない」 妻・寛子さん(75): 「37で亡くなった英樹しか私の中にないので、もう少し生きて、いろんな所に連れてって、ここにも生きて連れてきてくれたらよかったのにと怒りたいくらい」
高齢化進むも慰霊登山は継続へ
噴火災害からまもなく10年。「山びこの会」はメンバーの高齢化も考慮し、今年で慰霊登山に区切りをつける方針でしたが、続けてほしいという声を受け、来年以降も実施することにしています。 堀口さん夫婦も。 堀口純一さん(77): 「毎年1回は供養のために登りたい。ここは最後まで生きた証しのところですから」
長野放送