悪霊払い「シマカンカー」 シーサー3体に牛汁供える 宜野座・惣慶区 沖縄
【宜野座】宜野座村惣慶区(伊芸勝也区長)で10月22日、旧暦の9月に行われる厄払いの行事「シマカンカー」が行われた。疫病や災厄を払い、無病息災と惣慶区のさらなる発展を祈念した。 【動画あり】客は数人、でもヤンバルクイナはいっぱい 集落の暮らし支える、国立公園内にある伊部売店
「シマカンカー」は、悪霊(マジムン)が地域に侵入することを防ぐ目的の祭祀(さいし)。かつて惣慶区の東西北の入り口だった3カ所に悪霊をはね返す(けーし)の「石敢當」(シーサー)が、災いを寄せつけないように外向きに設置され、地域を「結界」のように守ると伝えられている。 伊芸区長と行政委員を中心に、「恩納岳の返(けー)し」「久志岳の返し」「安部崎の返し」を順に巡り、牛汁を供え手を合わせた。 牛肉を供えることで集落を悪霊から守るという意味合いが継承されるが、昔は栄養失調の子どもも多く、供えた肉を子どもたちに「一口食(チュクチクェー)」といって一口ずつ食べさせて栄養をつけさせる目的もあったとされる。 石灰岩の石敢當は、惣慶区の南方にも安置されていたと伝えられるが、区の発展に伴う開発の途上で消失、所在は不明だという。 (池辺賢児通信員)
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd