もう理不尽な“カスハラ”にはゴルフ場も黙ってない! 迷惑客の実例と対策の最前線とは?
“カスハラ客”なんか客じゃない! 約款の改訂を進めるゴルフ場
航空大手2社、JALとANAが共同で対策を打ち出すなど、昨今、「カスハラ」(カスタマーハラスメント)という言葉を耳にする機会が多くなっています。カスハラとは、顧客が企業に対して理不尽なクレームや過剰な要求、恫喝的な言動をすることを指します。特に接客業はカスハラを受けやすいといわれていますが、ゴルファーをもてなすゴルフ場はどうなのでしょうか? 【動画】全米女子オープン出場選手が喫煙しながらファンへサイン! SNSで拡散された実際の映像
ルールやマナーの啓蒙活動を積極的におこなっている一般社団法人 静岡県ゴルフ場協会・事務局長の吉田真之氏は次のように話します。 「ゴルフ場にはさまざまな決まり事があるので、どうしてもお客様に注意しなければならない場面があり、そこからカスハラに発展することはよくあります。例えばクラブハウス内で飲食をしているゴルファーに対して注意を行ったところ、語気を荒らげて執拗に反発してこられた事例がありました」 「また、キャディーに対しては特にカスハラが起こりやすく、『ラインが間違っていた』など、たとえキャディー側に落ち度がなかったとしても、言いがかりをつけられ必要以上に責められてしまうケースが多々あります」 自身のプレーがうまくいかなくなると、キャディーに対して八つ当たりをするゴルファーは現実に一定数いるようです。他にも予約関連でカスハラを受けることも多く、実際には予約をしていないのに予約済みだと言い張ったり、「常連なんだからこの時間帯にプレーさせろ」と、割り込みを強要されたりする事例もあるそうです。 そのため、どこのゴルフ場もカスハラに対する対策を入念に行い始めているといいます。一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の大石順一専務理事はカスハラ対策について次のように説明します。 「まず、ゴルフ場の約款にハラスメント防止条項を定めることを呼びかけています。約款に記載しておくことで、実際カスハラをしてくるゴルファーに対して『当ゴルフ場はこのように定めているので、ご帰宅ください』と対応することができます。さらに従業員一人で対応するのではなく、複数人でお客様と対応することで矛先を分散させたり、カスハラを受けた社員への適切なケアなど、厚生労働省のガイドラインを基に、知識を深める研修を行うようにしています」