年収1000万円稼いでも手取りは725万円に…「給料から天引きされてしまうお金」の年収別早見表
■手取り額を増やすためにできること 少しでも税金や社会保険の負担を減らして、手取りを増やしたいと思う人は多いでしょう。 社会保険については、私たち従業員が工夫をして減らす方法は、あまりありません。社会保険料は、毎年4~6月に支給される給料に基づき、9月から翌年8月までの保険料が決まります。そのため4~6月の残業が少なければ、保険料が多少抑えられます。 ただデメリットもあります。社会保険料を減らすと、算定基準の「標準報酬月額」が低くなるため、結果的に将来受け取る年金額が減ります。 所得税や住民税に関しては、各種所得控除を上手に活用することで、税負担を軽減できます。主な節税方法を表にまとめたので、参考にしてください。 ■ふるさと納税は節税ではないがメリットあり ちなみにふるさと納税は、実質的な節税効果はありません。翌年の住民税を前払いしているためです。ただ、自分の好きな地方自治体に寄付をすることで、寄付金控除が受けられます。控除上限額の範囲内であれば、寄付をした金額が翌年の住民税額から控除されます。 また、寄付をした金額に応じて、自己負担2000円で地方自治体から寄付額の最大3割の返礼品が受け取れます。物価高の時代では、返礼品として食料品や日用品を選ぶ人も多いようです。 お金の勉強というと、私たち大人は資産形成の情報を集めがちです。実はその前に、日本の充実した社会保障制度を正しく理解すると、生活基盤を賢く築くことができます。 私たちが月々の収入から支払う保険料や税金が、未来の老後を作っています。意外と社会人が学ぶ機会のない給与明細。定期的に金額を確認し、自分に合った収支管理、ライフプラン、資産形成に繋げてください。 ---------- 上原 千華子(うえはら・ちかこ) 金融教育家 金融教育家。欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴26年。証券外務員一種、最新の心理学NLPを使ったマネークリニック®認定トレーナー。2018年、ウェルス・マインド・アプローチ創業。資産運用講座を実施し、2022年より「3ヶ月マネー実践講座」を提供開始。ライフプランから資産運用までマンツーマン指導。著書に『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。 ----------
金融教育家 上原 千華子