【40代、50代・更年期の基礎知識 】膣まわりのできものが、実は「子宮脱」だった!臓器脱をイラスト解説
膣まわりのできものに多いのは「毛嚢炎(もうほうえん)」や「尖圭コンジローマ」などがある。一方「できもの」と思って来院したら「骨盤臓器脱」だったケースも! 子宮や直腸がどのような状態で飛び出すのか、女性泌尿器科医の二宮典子さんにイラストを用いて解説してもらった。
Q. 腟まわりのできものは放っておいて大丈夫?
A. 感染症や臓器脱という病気のことも。医療機関の受診を! 「フェムゾーンにできる『できもの』で多いのは次の3つ。 ①『毛嚢炎(毛包炎)』は毛穴が細菌に感染して炎症を起こすニキビのようなもの。 ②『バルトリン腺嚢胞』は腟口にある粘液を分泌するバルトリン腺の炎症で外陰部が腫れます。 ③『尖圭コンジローマ』は性感染症で外陰部にイボのようなものができ、人にうつります。 また、『骨盤臓器脱』をできものだと思って来院するケースがあります。子宮、膀胱、直腸などが腟から体外に出てしまう病気で更年期から増えます。いずれも婦人科で適切な治療を!」(二宮先生)
◆子宮脱 子宮が腟から落ちた状態。顔を出すくらいから、完全に脱出したものなど程度はさまざま。
◆直腸瘤 直腸が腟壁と一緒に落ちてきた状態。飛び出した部分に便がたまり排便障害になることも。
◆膀胱瘤 骨盤底の前側が緩み、膀胱が腟壁とともに落ちるケースが、最も多い臓器脱だ。
次回は「診察で閉経年齢を聞かれたら、どの時期を答えればいい?」という疑問に答えてもらう。 【教えてくれたのは】 二宮典子さん 女性泌尿器科医。二宮レディースクリニック院長。泌尿器科専門医・指導医、性機能専門医、漢方専門医。最近注目されているフェムケアやGSMにいち早く取り組み、婦人科、泌尿器、性機能、外見のコンプレックスなどの、相談しにくい悩みにも対応。下ネタ医療系YouTuberとしての顔も持ち、若い世代から更年期世代、シニアまで幅広い層に人気 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/山村浩子