「自分探しの旅」は必要ない…「6年で年商43億円」アパレル会社を興した30歳社長の「やりたいことの探し方」
■行動の結果を「複利」で広めていく 【澤円】自分が与えられるものをきちんと用意したうえで、人に会うことがポイントですね。その意味では、会ってもらう側とはいえ、相手とは対等なスタンスだともいえます。 【片石貴展】いま思えば、少々無鉄砲な行動をしていたと感じることもありますが……少しずつ行動の質も変わっていきました。というのも、一つひとつの行動を一度きりで終わりにするのではなく、次の行動へとつながるように必ず「継続性」を持たせてきたからです。 例えば、プレスリリースを出すという行動ひとつとっても、ただ発表するだけでなく、拡散されて話題にされるような仕掛けを意識しました。その結果、「こんなユニークな会社がある」というイメージや認識を生み出すことができれば、キーパーソンと会うことはより簡単になります。 つまり、自分の行動の結果を、複利のようなかたちでどんどん広めていく発想を持つことが重要だと思うのです。そうすれば、よりインパクトある行動へと踏み出しやすくなるはずです。 ■問題なのは「自信がない」ことではなく「勇気がない」こと 【澤円】ビジネスパーソンのなかには、そもそも自分に自信が持てず、行動することに二の足を踏む人もいるようです。片石さんは「自信」についてどのように捉えていますか? 【片石貴展】自分自身を振り返っても、社会に出て数年は、経験が少なく自信なんてありませんでした。だから、無理に自信を持とうとする必要はないですよね。なぜなら、行動や体験を積み重ね、その結果から自信というものが生まれてくると思うからです。 結局のところ、「自分との約束」をひとつずつ果たしていくことに尽きるのではないでしょうか。そうしてはじめて自分を信頼できるようになり、自然と自信もついてくるのだと思います。 【澤円】「自分との約束」をひとつずつ果たしていくことについても具体的にお聞かせください。 【片石貴展】自分に正直に、自分に嘘をつかないで生きることだと考えています。例えば、わたしは創業するときも、上場するときも、はじめにそれを宣言し「有言実行」にこだわってきました。現在も「100ブランドを擁する若者帝国をつくる」と、明確にビジョンとして打ち出しています。 つまり、有言実行を一つひとつ積み重ねていくなかで自信がついてきたのだと感じるのです。逆にいうと、自信がないことが問題なのではありません。「勇気を持って行動しないこと」に問題があるということです。