胸元のはだけた少女が「壊れた甕」と花弁をむしりとられた枝を持つ理由 西洋絵画の「シンボル」を解説した一冊が売れている[新書ベストセラー]
12月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『人生の壁』が獲得した。 第2位は『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』。第3位は『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』となった。 【画像を見る】「壊れた甕」が暗示する少女の体の一部…表紙にもなったジャン=バティスト・グルーズ『壊れた甕』 3位の『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』は「怖い絵」シリーズや「名画で読み解く 12の物語」シリーズなど、西洋絵画に秘められた意味を解き明かすエッセイで知られる中野京子さんによる一冊。薔薇・百合などの植物、天秤・十字架などの道具、道化・聖母マリアなどの人物、目隠し・骸骨などの身体など、西洋絵画に繰り返し登場するシンボルには意味があった。それらは「絵の言語」でありその意味を読むことで画家が伝えたかったメッセージが伝わってくるという。西洋絵画の暗黙の前提を知ることで新しい鑑賞体験が得られると好評。 4位以下で注目は9位にランクインした『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』 。「わからない」ことよりも、「わかったつもり」でいることの方がはるかに問題と説き、「わかったつもり」を壊して克服し、本当の読解力を身につけるためのカギを解説している。2005年に発売された新書ながら、SNSで度々注目を集め、累計発行部数は20万部を突破しているという。
1位『人生の壁』養老孟司[著](新潮社) 生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。(新潮社ウェブサイトより)
2位『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』荒木飛呂彦[著](集英社) 世界の16の国と地域で翻訳刊行されるなど、いまや古典となった『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)から10年。だが、ある時、『漫画術』を読んで漫画家になった人もいるとしたら、「もうちょっと深い話も伝えておかなければならないのではないか」と、荒木は考えた。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズをはじめとした荒木作品に登場する名悪役たちの魅力とリアリティはどのように生まれるのか? 漫画の王道を歩み続けるために必要なことは? いまだ語られなかった、漫画家・荒木飛呂彦の「企業秘密」を掘り下げた、新・漫画術。(集英社ウェブサイトより) 3位『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』中野京子[著](中央公論新社) 絵画に描かれた美女が誰か、あなたは即座にわかるだろうか。そばに薔薇があればヴィーナス。百合が添えられていればマリア。皿を捧げていればサロメ。剣を携えていればユーディト。ちょっとした知識があれば、隠された画家からのメッセージを探りあてることができる。「見て・感じる」だけではわからない、絵を読み解く手がかりをテーマ別に解説。この本を読めば、鑑賞体験はもっと豊かなものになる。図版120点収録。(中央公論新社ウェブサイトより) 4位『地方消滅2 加速する少子化と新たな人口ビジョン』人口戦略会議[編著](中央公論新社) 5位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社) 6位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社) 7位『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』仁藤敦史[著](中央公論新社) 8位『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』坂本貴志[著](講談社) 9位『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』西林克彦[著](光文社) 10位『答え合わせ』石田明[著](マガジンハウス) 〈新書ランキング 12月10日トーハン調べ〉 協力:新潮社 Book Bang編集部 Book Bang編集部 新潮社
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