佐藤隆太×岡田義徳×塚本高史インタビュー『映画 THE3名様Ω~これってフツーに事件じゃね?!~』感謝、そしてこれからも皆一緒に
3人が納得しないと進めない
ーー実は弊社が本作の予告映像を作らせて頂いていまして‥‥。 佐藤 今回のですか? ありがとうございます!完璧でした!最高の予告編でした。 ーー3人が、これ! って言ったものになったと伺いました。皆さんが、クリエイティブ面でも携わってらっしゃるそうですね。 佐藤 この作品って、誰もが知っている作品じゃないかもしれないけど、好きでいてくれている方はすごい熱量と愛情を持って支えてくださっているような作品なんですよね。本当に細かいところまで見てくれているというか。だから、スタッフの皆さんには大変な思いをさせてしまっているかもしれないんですけど。 お芝居だけじゃなくて、例えばポスタービジュアルとかも、やっぱり僕たちらしいものでやりたいから色々とアイディアを出させてもらったりして。そういうことの積み重ねですよね。 だから3人が3人とも気になるところは、「これが嫌だとかじゃなくて、こうしたらどうですかね?」って意見を言い合える関係性は、これからも続けていきたいです。 塚本 そうですね。 岡田 同じ意見ですよ。誰かが一人納得しなければやめる。じゃあどうしようかって考える。そういう現場です。 佐藤 強引にはやりたくないっていうね。 塚本 そう。「これどう思う? 」って言ってね。 岡田 「じゃあこの一番良い意見は何だろうね」って話し合いをする。絶対に誰かが嫌っていうものを強行はしない。 ーーそれはもう現場で撮影されている時に行われるんですか? 岡田 そうです。クリエイティブでテロップの入れ方にしても、「これは大きい方がいいと思う」「いや、俺はちっちゃい方がいいと思う」「じゃあ真ん中はどう? 」とか、そういうやり方で、みんな納得したから、それで行こうというやり方をしています。
この3人である理由
ーーこれを機にDVDシリーズを改めて見直しました。第1巻のオフショットに、佐藤さんがプロデューサーの森谷さんに、「THE3名様をやりたい」という熱意を伝えた経緯を話されていました。改めて、なぜこの3人だったのかお聞きしたいです。 佐藤 もう20年以上前のことですけど、別作品で初めて出会って、その作品を作ってる期間の中で信頼ができるし、一緒に芝居をしていて楽しい2人でした。 「THE3名様」が大好きだったから、ぜひ実写化になってほしいと思っていて、僕も出たかったので、実写化した場合、意思疎通ができるというか、1から10まで説明しなくても感じ取ってくれる2人は、僕にとって、この2人だった。 だから、もう自分勝手ですよ、プロデューサーの森谷さんに「ぜひ、これやりたいんです。しかもキャストも決まってます。この3人です」って無謀なお願いをして、それを叶えてくれたわけですからね。 ーーお2人は言われたときのこと覚えてますか? 塚本 俺はね、隆ちゃんが「こういうのやりたいんだけど、もしこれ具現化されるんだったら出てくれるよね」っていう話を『ロッカーズ ROCKERS』(2003) のときに初めて聞いたのかな? その時は、恥ずかしながら全然「THE3名様」のことを知らなかったんですけど。「やれそうだから」って話で原作を読んでみたんだっけかな。 佐藤 もう20年以上前だからね。 岡田 うんうん 塚本 振り返れば隆ちゃんの先見の明というか。俺がミッキーをやったらこうなるなんて、自分では思っていなかったし、できると思ってなかった。多分、俺が原作読んでいたら「いや無理だよ! おれこの人」って思っていただろうし。 でもある種の仕事として話がきたから、蓋を開ければ隆ちゃん発信ってなるかもしれないけど、俺の心構え的には”ミッキーという役が来た”っていうことで受け入れられた。仕事としてやろうという感じだったかな。 ーー岡田さんどうですか? 岡田 高史と同じような感じでしたね。いまその話を聞いていて、1人で住んでいたとき、家の窓際で隆ちゃんと電話で話してたなぁって思い出しました。「これやりたいんだけど」って電話で話したなぁって鮮明に覚えていて、そのときは内容然り、隆ちゃんが持ってくるもんだから面白いんだろうなって、それしかなかった。 当時若かったっていうのもあるし、本当に一個の仕事として受けた感はありましたけど、やっていくうちに人間関係も深まって‥‥。今考えれば「自分が子どもだったな、2人に意見を投げちゃったな」って反省もあれば、「こうしとけばもっと上手くいったかな?」っていう後悔もあります。 それがあるから、今があるし、それがあって作品が終わったわけでもないから、今すごく幸せな状態です。そういうのって他の現場では、あまり経験ができないので。 ーー確かに20年近く続いている作品ってすごいですよね。長いお付き合いの中で、お互いが変わったことと変わってないことってありますか? 佐藤 基本的に変わっては‥‥。 塚本 ないからこそ‥‥っていうか。 佐藤 ね。もちろんそれぞれがいろんな現場でキャリアも積んで成長はしていると思うんですけど、その人の芯が変わらないから、やっぱり楽しい。そしてこの先もずっと一緒にやりたいと思えているって感じですかね。 あと2人に対してすごくかっこいいな、素敵だなと思うのは、年齢重ねたから「もうこういうことはしない!」とか、そういうところがない。そういう向き合い方がね、なんかかっこいいなと思います 岡田 塚本 あぁ。 塚本 だから実家みたいなもんで。例えば、それこそ19年前に、僕がホットパンツを履く回があったんです。この2人に「高史、もう一回、あの回面白かったからやってよ」って言われたら、やるかもしれない。 なんでかと言うと、嫌だよって言ったら、「お前さ、ガキの頃にホットパンツ履いてたやつが、何今になって恥ずかしいとか言ってんだよ!」ってなるから。 佐藤 そこは変わってもいいと思うけど(笑) 岡田 ちゃんと嫌なら嫌っていう理由が言えるもんね。 塚本 そうだね。 岡田 それを見る人が望んでないとか、今だったら面白くないとか、ちゃんと理由が分かるから断るけど、そうじゃないものに関しては全部やります。