「就活やバイトにも困らない」 大学の「都心移転」で勉強だけでない変化が
「移動が楽」コンパクトなキャンパス
――法学部が茗荷谷キャンパスに移転して、良かったと感じることがありますか。 きれいなキャンパスで過ごすのは、純粋に気分がいいですね。新築の部屋に入居した感じで、「汚さないように美しいまま使っていこう」と背筋が伸びます。 ICT環境が整っていて、少しでもトラブルがあると、ITサポートデスクの方がすぐに解決してくれるのも安心です。全教室に設置されたAV機器も起動がスムーズになったからか、語学の授業で映像を活用して学ぶ機会も増えました。ITツールを使った講義も増えて、理解しやすくなったと感じます。 学生が使えるプリンターの数も多く、学生証をかざすだけで、無料で印刷できるのも助かります。多摩キャンパスは広くて自然が多いところが良かったのですが、法学部だけのコンパクトなキャンパスになったことで、教室から教室へ、またキャンパス内にある郵便局や生協などへの移動が楽になりました。また、同じ学部の友人と遭遇する機会も多くなりました。 ――授業以外の面で変化はありましたか。 都心に移ったことで、大きな書店へ行く機会が増え、本の街である神保町にも気軽に行けるようになりました。僕は在籍している政治学科の勉強以外にも、第2外国語のロシア語の勉強に力を入れていますが、神保町にはロシアの書籍を輸入している書店があり、勉強面でも便利になったと感じます。多摩キャンパス時代は近くの動物園に行って息抜きすることが多かったのですが、移転して授業以外の時間の過ごし方が変わったと思います。友人のなかには、バイト選びに困らなくなったと話す人もいます。
インターンと就活が便利に
――茗荷谷キャンパスからは、ビジネス街の大手町なども近いですね。 多摩キャンパスからは都市部まで電車で1時間くらいかかりましたが、今は大手町や池袋といったビジネス街や繁華街が近くなり、インターンや就職活動をしやすくなったと感じます。複数の企業を効率的に回れるようになり、実際、インターン先も幅広い業界を候補にあげています。 郊外から都市部へのキャンパス移転を計画している大学は、ほかにもあります。25年には、東京理科大学薬学部が千葉県野田市から都内にある葛飾キャンパスに移ります。30年には、法政大学経済学部が多摩キャンパスから市ケ谷キャンパスに移転を予定しており、都心移転の傾向はまだ続きそうです。 郊外型キャンパス、都市型キャンパスには、それぞれの良さがあります。大学を選ぶ際、キャンパスの立地についてもよく検討するとよさそうです。
朝日新聞Thinkキャンパス