「将来の夢はユーチューバー!?ふざけるな!」親と子の理想の職業はなぜひたすらすれ違う?
ただしこれは他人の判断なので、確実とは言えません。自分向きの動画を選ぶには、好きな番組を探して、それを制作するユーチューバーのチャンネルや関連動画から選ぶのが良い方法です。自分の趣味や関心事と重なるユーチューバーによる番組は、ハズすことなく楽しめます。または、単純に好きなユーチューバーが出ている動画を選ぶ方法もあります。ユーチューバーが、番組選びの目印になるのです。 ● 共感と絆が巨大な再生数を叩き出す ユーチューバーの魅力とは? 第3に、ユーチューバーは視聴者にとって身近な存在です。 ユーチューバーは全世界に番組を配信できる立場ですが、制作スタッフを雇う一部タレントなどを除けば、その実態は毎日コツコツとコンテンツを制作し投稿する1人の人間です。彼らが作った動画からはその生活感、日々の努力、人間性などが混在した、「そのユーチューバーらしさ」が見えてきます。 また彼らは、コメント欄を通じた視聴者とのコミュニケーションも行います。すると視聴者もユーチューバーに対して、共感や信頼の感情を抱くようになります。視聴しながら居心地の良さのようなものを感じ、また応援したいという気持ちも生まれます。こうして、そのユーチューバーのファンになるのです。
一般的なユーチューバーの動画は作品としてのクオリティは高くありません。しかし、それと関係なくファンとのつながりや絆は生まれ、強まります。企業などが作る中途半端にクオリティの高い動画や、制作費をかけた企業チャンネルの動画が数百回~数千回しか視聴されない一方で、ユーチューバーの作った簡易な動画がコンスタントに数十万回~数百万回再生されるケースはよくあります。 ● スポンサー優位の制作環境下では テレビ番組がつまらないのは当然 ここまでいくつかユーチューバー人気の背景を述べましたが、それら以上に強い影響を与えたのは、人々の「テレビ離れ」でしょう。従来型の強大なメディアであったテレビが力を失い、相対的にYouTubeなどのネット動画の価値が上がったのです。 今のようなデジタル社会が到来する前は、テレビが最大の娯楽でした。リビングにテレビが置かれ、家族が集まって見るのが普通の家庭でした。ところが今は、家の各部屋にパソコンやスマホがあり、家族それぞれが好きなものを見ています。マーケティング戦略においても、それぞれのスクリーンで伝えるべき内容やタイミングを組み合わせなければ広告効果が上がらないのです。ただし、メディアが増えても視聴者の時間は1日24時間と限られています。時間をコンテンツが奪い合っているのです。