S&P500とナスダックが下落する中、エヌビディア株が上昇続けるワケ
エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアンは米国時間10月2日にCNBCのインタビューで、同社の次世代チップであるGrace Blackwellスーパーチップに対する需要が「異常」であると発言した。これを受け、米国時間10月3日にはエヌビディアの株価が3%以上上昇した。 エヌビディアの株価は米国時間10月3日、一時124.26ドルまで上昇した後、最終的には122.80ドルで取引を終え、3.3%の上昇を記録した。 この株価上昇は、フアンがCNBCのインタビューで、マイクロソフト、OpenAI、メタなどのAI関連企業からBlackwellに対する「異常な」需要があると語ったことに起因している。彼は、「誰もが最も多くを持ちたがっており、誰もが一番最初に手に入れたがっている」と述べた。 10月3日の株価上昇は、8月下旬に記録的な収益を報告したにもかかわらず9月初旬に株価が102.83ドルまで下落したエヌビディアの株価が回復基調にあることを示している。 エヌビディアのウェブサイトによると、Blackwellは今年末までにオラクル、アマゾン、マイクロソフト、グーグルのクラウドサービス部門に出荷される予定である。 10月3日の米国株式市場全体は下落した。エヌビディアの株価上昇は、テクノロジー株が多いナスダックをプラス圏に押し上げるには至らず、同指数は0.17%の下落で取引を終えた。S&P500種株価指数も同様に下落している。 10月3日に30億ドル(約4383億3000万円)の増加を受け、フアンの純資産は1070億ドル(約15兆6270億円)に達したと推定され、これにより彼は世界で12番目に裕福な人物となった。 ■エヌビディアの「スーパーチップ」とは何か? エヌビディアの次世代チップであるBlackwellは、AIモデルを高速にトレーニングできるだけでなく、エネルギー消費も抑えられる設計となっている。CNBCによると、Blackwellの価格は1ユニットあたり3万ドル(約438万円)から4万ドル(約584万)になる見込みだ。 Blackwellは、エヌビディアのAI市場でのリーダーとしての地位をさらに強固にするものだ。同社は引き続きマイクロソフト、メタ、アルファベット、アマゾンといった主要テック企業に製品やサービスを提供しており、これらがエヌビディアの収益の大部分を占めている。7月から9月にかけて一時的な急落があったが、年初に48.17ドルだったエヌビディアの株価は147%以上上昇している。同社はまた、第2四半期に売上高300億ドル(約4兆3800億円)、純利益165億ドル(約2兆4100億円)という記録的な業績を報告している。エヌビディアのデータセンター部門、特にAI関連製品を扱う部門は、この四半期に263億ドル(約3兆8400億円)の収益を上げ、前年同期比で154%増加している。
Antonio Pequeño IV