「体育の日」→「スポーツの日」 「国体」→「国スポ」 「体育」はもう古い? あの”中年の星”五輪メダリストが訴える危機感
山本博さんは、「スポーツ」が勝ち負けを決める「競技」を指すのに対し、「体育」は体を動かすことを通じて人間としての成長に繋げる「教育」の意味も含んでいるといいます。 似ているようで異なる「体育」と「スポーツ」ですが、2018年の法改正では祝日の名前を「体育の日」から「スポーツの日」に、「日本体育協会」を「日本スポーツ協会」に変更することも定められました。 ■自治体にも広がる名称変更 こうした流れは自治体にも広がっています。 福岡県スポーツ協会を例にとってみると、加盟する市と郡あわせて40の協会のうち、「スポーツ協会」に名称を変更したのは6割以上。ほかにも複数の体育協会が名称変更を検討しています。 那珂川市体育協会もその一つです。 那珂川市体育協会 事務局長 藤野茂敏さん「来年度が那珂川市体育協会の創立50周年を迎えるので、そのタイミングで『スポーツ協会』に変更したいと考えています。当協会としてもスポーツとは自発的に楽しむという認識で、組織の目標としても多くの市民にスポーツに参画してもらい健康的なまちづくりに寄与したいという思いがあります。スポーツ協会への変更については賛成です」 ■「『古い』と言われても・・・”体育”という言葉、消さないで」 体育からスポーツへ。流れが加速する中、「本来の意味を考えて2つの言葉を正しく使い分け、残すべきところは残してほしい」と訴えているのが、前出の日本体育大学・教授の山本博さんです。残すべき名称の具体例として「体育協会」をあげています。 日本体育大学・体育学部 山本博教授「市区町村の体育協会が今、一斉にスポーツ協会に変更していますが、全部スポーツにするのはかなり乱暴なくくりだと思っています。所属するのは勝ったり負けたりという競技スポーツの活動をやっている団体ばかりではありません。例えば、日本舞踊とか民謡とか、フォークダンス協会とか、競技とは異なる団体が加盟しているところもあるわけです。」 山本博さんは、最初の銅メダルから20年を経て41歳で銀メダルを獲得したことから、当時「中年の星」と呼ばれました。自身は高校で体育教師を長く続けたこともあり、「体育」という名称には思い入れがあるようです。
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