南シナ海で再燃する領海紛争 中国警備艇が比巡視艇を妨害
マニラ、フィリピン、12月5日 (AP) ― 中国とフィリピンの間で係争中の南シナ海の環礁を巡って、中国海軍の艦艇に支援された海警局の警備艇複数が12月4日、フィリピン沿岸警備隊の巡視艇の航行を妨げ、放水、故意に衝突するなど紛争が再燃している。 フィリピン沿岸警備隊によると、同警備隊と漁業水産資源局の船艇4隻が、スカボロー礁の同国漁民保護のために定期パトロールをしていたところ、中国海警局と海軍の艦艇が接近してきて、「攻撃的行動」をとったという。 環礁の約30キロ手前で、海警局の警備艇がフィリピン巡視艇の航海用アンテナめがけて高圧放水を繰り返した。その直後、同警備艇は別のフィリピン巡視艇に故意に体当たり。その後、再び最初の巡視艇に放水を継続した。 さらに、中国海軍の艦艇2隻と海警局警備艇1隻が3隻目のフィリピン巡視艇の航路を妨害し、後を付け回したという。 南シナ海の領海を巡る係争はアジアの火種であり、この地域における米中対立の微妙な断層である。 米国は、世界の重要な貿易ルートであるこの海域での領有権を主張していないが、航行と上空飛行の自由と紛争の平和的解決は自国の核心的国益であると宣言。 その一方で、南シナ海でフィリピン軍が攻撃を受けた場合、条約上の同盟国であるフィリピンを防衛する義務があると中国に警告している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)