「3人でじゃんけん。あいこになる確率は?」…多くの人が誤解している「確率」を理解できていますか
樹形図で考える確率
例題 コインとサイコロを投げるとき、コインは表が出て、サイコロは偶数の目が出る確率を求めよう。 結果として考えられるのは、樹形図で示す12通りである。そして、12通りのそれぞれは、同様に確かである。 コインは表、サイコロは偶数の目が出る場合に○を付けると、次のように3通りである。 したがって、求める確率は 3/12=1/4 となる。 ここで、コインの目の出方とサイコロの目の出方はお互い無関係である。このように、一般に二つの試行SとTがお互いに無関係な場合、Sに関して事象Eが起こる確率をp、Tに関して事象Fが起こる確率をqとすると、二つの試行SとTを同時に行うとき、EかつFが起こる確率は、 p×q となる。たとえば、コインとサイコロを同時に投げるとき、コインは裏でサイコロは1の目が出る確率は、 1/2×1/6=1/12 となる。
3人でじゃんけん、あいこになる確率は?
例題 A, B, C 3人でじゃんけんを1回行うとき、あいこになる確率を求めよう。ただし、誰もがグー、チョキ、パーをそれぞれ確率で出すとする。 A, B, C 3人でじゃんけんを1回行うとき、樹形図で示した27通りが考えられ、どれも同様に確かである。それらのうち、あいこになるのは9通りなので、 あいこになる確率=9/27=1/3 となる。 『1/10の確率で採用される採用試験、20社受けたら採用の「期待値」は何社? 』へ続く
芳沢 光雄(数学・数学教育)