国内強化「一丁目一番地」 大和証Gの顧客基盤活用 大見・あおぞら銀社長インタビュー
あおぞら銀行の大見秀人社長は5日までにインタビューに応じ、今後の事業戦略について「海外比率を落として国内を増やすことが一丁目一番地だ」と語った。 【写真】あおぞら銀行の看板 業績が悪化した海外から国内に重心を移し、5月に資本業務提携した大和証券グループ本社の顧客基盤を活用しながら収益回復を目指す考えを強調した。 同行は外国債券や米商用不動産向け融資で多額の損失や引当金が発生した影響で、2024年3月期には純損益が15年ぶりの赤字に転落した。大見氏は「反省があるとすれば、マイナス金利の時代に日本では利ざやが確保できないということで海外の比率を多くし過ぎた」と振り返った。 一方で大見氏は、日銀のマイナス金利解除で「金利ある世界」が到来し、資本効率や株価に対する企業の意識も高まるなど、事業環境が変化していると指摘。同行が強みとする「(プロジェクトや特定資産の価値に基づき融資する)ストラクチャードファイナンスの需要が高まっている」とし、大和証Gの顧客網を活用して融資やM&A(合併・買収)案件の受注拡大を進める考えを示した。27年度には法人部門で70億円の増益効果を見込んでいるという。 米商用不動産向け融資は今年9月末時点の残高が計約17億ドルで、破綻懸念先は17件。大見氏は「破綻懸念先をゼロにするのがゴールだが、売り急いではいけない局面もある」と語り、処理完了には数年かかるとの見通しを示した。