青森・弘南鉄道大鰐線が27年度末で廃止 赤字改善見込めず
弘南鉄道(青森県平川市)は27日、赤字が続く大鰐線(大鰐-中央弘前、13・9キロ)について2027年度末で「廃止」とする方針を明らかにした。利用者の減少や同社の人員不足により、収支改善が見込めないため。 【写真】雪をかき分けて進む大鰐線の除雪車 関係自治体の関係者約30人が参加し青森県弘前市役所であった協議会で、同社が「沿線市町村からの支援策を講じても、運行継続は困難」と意向を伝えた。 同社を支援する沿線5市町村は「やむを得ない」として異論は出なかったという。今後、関係市町村とともに「廃止」を前提に協議を進める。 成田敏社長は「公共交通機関として地域の足を守る重要な役割があるが、民間企業として職員を守るための決断だ」と話した。 宮下宗一郎知事は「大変残念だが、交通事業者としては苦渋の決断であり、重く受け止める」とのコメントを出した。 大鰐線は沿線の人口減などで慢性的な赤字経営が続いていた。1974年度のピーク時に約390万人の利用者がいたが、近年は約30万人と低迷。大鰐線を含む同社の昨年度決算は約2億3000万円の赤字だった。
河北新報