【大学選手権】早大・伊藤樹タイブレーク完封勝ち、大舞台118球熱投で大商大との投手戦制す
<全日本大学野球選手権:早大1-0大商大>◇11日◇2回戦◇東京ドーム 早大(東京6大学)は今大会初となる延長10回タイブレークで大商大(関西6大学)に勝利。エース伊藤樹投手(3年=仙台育英)が1点を守った。連覇を狙う青学大(東都)は、福井工大(北陸)に7回コールドで快勝。早大と青学大は、ともに準々決勝へ駒を進めた。国公立大で唯一、出場の和歌山大(近畿学生)、関学大(関西学生)、天理大(阪神)の近畿勢と東日本国際大(南東北)は2回戦に進出した。 【一覧】全日本大学野球選手権・組み合わせ ◇ ◇ ◇ 大舞台で投げ勝った。両軍9回まで0が並んだ、しびれる投手戦。早大の3年生エースの伊藤が、延長10回タイブレークで118球の完封勝利を挙げた。丁寧な制球で初球から変化球を投じ、積極的にバットを振る大商大打線相手に凡打の山を築いた。 中でも今秋ドラフト候補の大商大・渡部聖弥外野手(4年=広陵)を要所で締めたことが大きかった。6回2死三塁で先制点献上のピンチを招いたが二飛で切り抜けた。「インコースで渡部さんを打ち取れたところがターニングポイントでした」と振り返った。 仙台育英(宮城)の出身だ。高校1年時の練習試合で大船渡(岩手)で現ロッテの佐々木を間近で見たことがある。NPBスカウトやテレビが詰めかける雰囲気の中「高校からドラ1で(プロに)行く人ってこういう人なんだろうな」と憧れた。ただ将来ドラフト1位を目指す上で、超えていかないといけない存在だとも感じていた。 あれから5年後。3年生ながら、名門の早大でエースになった。ドラフト候補にも、臆せず立ち向かっている。日本一を目指すチームの柱として、これからも腕を振る。【佐瀬百合子】 早大・小宮山悟監督(選手としてマウンドに立った東京ドームで初采配、初勝利)「ジャイアンツのホームグラウンドですから。みんな小さい頃からドームで野球してる姿を夢見ていたでしょうから。彼らがどんな感想を抱いているかわからないけど良かったと思います」