松坂大輔氏 ボール球を振らない台湾打線の粘り強さに驚き
◇WBSCプレミア12決勝 日本0―4台湾(2024年11月24日 東京D) 【松坂大輔 視点】準優勝という結果に終わりましたが、侍ジャパンの選手は最後の最後までしっかり戦い抜いたと思います。プロ野球のシーズンを終えてからの長い戦い。肉体的、精神的にもきつかったでしょう。対する台湾の選手も素晴らしいプレーでした。両チームに拍手を送りたいと思います。 台湾の打者は、特に直球に対して強いスイングで打ち返していたのが印象に残りました。5回1死一、二塁。戸郷投手が浴びた3ランも内角低めの150キロでした。打った陳傑憲(チン・ケツケン)選手は、試合前の時点で打率.632。注目していましたが、直球の威力に負けない力強い打撃でした。 台湾打線は積極的に打ちにくる一方で、追い込まれてもボール球を振らない。その粘り強さにも驚かされました。初回、1~3番は全て戸郷投手の初球の直球に手を出して、3番の陳傑憲選手も150キロを左中間二塁打。5回に許した8番・林家正(リン・カセイ)選手の先制ソロも2球目、ファーストストライクの直球でした。 一方で1点を先制した直後の5回1死一塁では、2番・林立(リン・リツ)選手が2球で追い込まれながら、そこから低めの変化球をしっかりと見極めて四球。この粘りが直後の3ランにつながりました。国際大会で初優勝。今後も侍ジャパンにとって強力なライバルになると思います。(スポニチ本紙評論家)