始まりはトラックの移動販売…まさにジャパニーズドリーム!海外進出23年目のDAISOが描く野望
海外25の国と地域に984店舗! DAISO(ダイソー)のウケ要因はどこにある?
「100円ショップ」市場の成長が続いている。帝国データバンクによると、大手4社を中心とした国内100円ショップ市場は、’23年度は1兆200億円前後で推移する見込みで、これは10年前の1.5倍に値する。 【発見撮!】なに買ったの…!? LAのダイソーで買い物中のアンジェリーナ・ジョリー 海外進出にも意欲を見せ、なかでもダイソーは’24年2月末で海外25の国と地域に984店舗を展開し、好評を博している。国の内外を問わず、日本発の100円ショップがウケる要因はどこにあるのか。円安の影響や海外で売れている意外なモノなどを、ダイソー(株式会社大創産業)グローバル広報課の後藤晃一さんに聞いた。 ◆「ファーストチョイスは100均」…大きく変化した買い物の流れ 給料は一向に増えないのに値上げは天井知らずの日本において、100円ショップはまさにオアシスだ。価格はワンプライス、品揃えは豊富。行くと余計なものまでつい買ってしまうエンタメ性。しかもたかだか100円なので爆買いしたところで罪悪感もない。そんな100円ショップへの客のニーズは、年々ハードルが上がってきているという。 「昔は市場で販売しているものを、いかに100円で提供できるか、というところでしたが、今はファーストアクションが100円ショップで、なかったらほかで探そうというように、お買い物のフローが変化しました。 それを受け、お客様のニーズをどこよりも早く捉え、それに応えられる商品をいかに開発できるかが最大の課題となっています」(ダイソーグローバル広報課・後藤晃一さん/以下同) ダイソーでは毎月1200もの新商品を開発。トレンドを素早く察知して商品化する目利き感は、50年にわたって膨大な数の商品を開発してきた知見によるもので、そのスピード感こそがダイソーの強みといえるだろう。 ◆まさにリアル「クールジャパン」……海外人気の秘訣は手頃に買える「日本文化」「日本食」 アメリカの「ダラーストア(dollar shop)」をはじめ、海外にも100均と同じような店はたくさんある。そんななか、なぜ海外でダイソーが人気なのだろうか。 「お客様から聞いた話では、他ブランドとは別物だ、ということでした。たとえばアメリカのダイソーの商品価格は$1.75からですが、現地では非常に手頃感があり、品質が良いという評価をいただいています。また、日本の文化自体が好評で、プレゼントグッズなどが気軽に買えるのが嬉しいという声も聞きます」 ダイソーでは海外の店舗も、原則日本と同じ品揃え。たとえば醤油などを入れる小皿は、時にアクセサリー入れとして使われたりしている。それは利用者のイマジネーションの賜物だが、ある意味、日本の文化を提供しているともいえるのだ。 「日本とは生活文化が異なるため、珍しいを通り越して使い方から訴求しないと難しい面もあります。ですのでSNSを利用して、使い方を発信しています」 扱う商品は約7万6千種。そのうち9割がプライベートブランドで、残る1割はほぼ食品だ。 「今、海外では日本の食品に対する注目度が本当に高く、模造品もたくさん出回っています。大手の食品メーカーさんの場合は、海外でも独自の販路をお持ちだと思いますが、『どうやって海外に打って出ればよいのかわからない』と悩まれているメーカーさまには、ぜひダイソーを利用していただきたいです。少しでも日本の食文化を活性化するお役に立てたら」