「65歳以上の無職夫婦世帯」貯蓄額と年金は平均いくらか一覧で見る。高齢化率29%の日本で迎える老後
65歳以上「夫婦世帯」の年金は平均いくらなのか
貯蓄額の整理がついたら、続いて老後生活の収入源を考えます。今回は無職の夫婦を想定しているので、労働収入は0円。不労所得があれば別ですが、一般的に年金収入が主になるという方が多いでしょう。 実際に年金をどのくらい受け取っているのか、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。 ●厚生年金の平均月額はいくら? ・ 全体:14万3973円 ・ 男性:16万3875円 ・ 女性:10万4878円 ※国民年金を含む金額 厚生年金は現役時代の年金加入期間と年収により決定するため、実際には個人差が大きく見られます。 また、自営業や専業主婦(主夫)などは厚生年金に加入していないため、国民年金のみとなります。国民年金の金額も確認しておきましょう。 ●国民年金の平均月額はいくら? ・全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 国民年金の平均月額は5万円台。満額でも月額6万6250円です(2023年度/67歳以下新規裁定者の場合)。 20歳~60歳未満の40年間、未納なく全ての保険料を納めた場合に満額を受け取ることができますが、それでも決して十分とはいえない金額です。 例えば「会社員の夫と専業主婦の妻」という夫婦世帯の場合、もし平均額を受給するなら合計で約21万8000円です。 将来年金をいくら受給できるか、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で夫婦の合計額を確認しましょう。加給年金なども見込まれる場合、年金事務所で詳細に確認してもらうこともできます。
65歳以上「無職の夫婦世帯」の生活費は平均いくらなのか
貯蓄や年金収入がわかれば、あとはその中に支出が収まるか検討するのみです。もし収入額が上回れば、貯蓄額はそこまで必要ないことになります。貯蓄額も十分であれば、これ以上備える必要はないといえます。 把握するためにも、老後は生活費がどのくらいかかるのかを確認しておきましょう。 もし見当もつかないという場合、今のシニアの平均額を参考にするのもひとつです。 「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記の通りになりました。 ●65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 ・実収入:24万6237円 ・可処分所得:21万4426円 ・消費支出:23万6696円 可処分所得から消費支出を引くと「2万2270円」の赤字になります。 ただし、上記データの「住居費」は持ち家世帯を想定しているため、住居費用は1万円台です。もし賃貸住宅に住む世帯の場合は、さらに大きな費用がかかるでしょう。 一方で持ち家世帯でも、経年劣化による家の修繕費など、突然の大きな出費に向けて準備しておく必要があります。 また、老後は医療費の負担増や介護費用の発生などにも備えておかなければいけません。 こうした支出を細かくシミュレーションしておきましょう。