「できる人」がやっている、ムダな情報に振り回されない“4つの問い”
現代は情報があふれかえる時代です。SNSやニュース、ウェブサイトなどを通じて、私たちは日々膨大な情報に触れていますが、その中には正確で役立つ情報もあれば、曖昧で信頼性に欠ける情報も少なくありません。情報の氾濫するこの時代において、私たちはどのようにして「価値のある情報」を見極めることができるのでしょうか。本記事では、情報を適切に取捨選択するための具体的な方法を解説します。※本稿は、戦略コンサルタントでデータサイエンティストの山本大平氏の著書『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 「問い」を繰り返して情報の本質を見抜く 多くの場面で、他人の意見やデータに基づくフィードバックを受け取ることがありますが、そのすべてが有用な情報とは限りません。そこで役立つのが、「問い」を繰り返して情報の根拠を掘り下げる方法です。このアプローチを使うことで、表面的な意見の背後にある真の根拠や論理に迫ることができます。 たとえば、上司が「このプロジェクトはリスクが高い」と言ったとしましょう。その場合、次のように「問い」を繰り返すことで、表面的な指摘の奥にある具体的な理由を探ります。 ・上司:「このプロジェクトはリスクが高い」 ・あなた:「なぜそう思うのですか?」
・上司:「以前、似たプロジェクトが失敗したから」 ・あなた:「その失敗の原因は何ですか?」 ・上司:「市場の需要が低かったため」 ・あなた:「現在のマーケット状況はどうですか?」 ・上司:「現在も低需要が続いている」 ・あなた:「具体的なデータはありますか?」 ・上司:「最新の市場調査レポートによると……」 このように、たった数回の「問い」を繰り返すことができると、寄り道もせず最短で、意見の裏にある論理的な根拠やデータにたどり着くことができます。曖昧な意見を真に受けるのではなく、その根拠を探ることが、情報を正しく評価するための”第一歩”です。 もちろん、上記はさらなる深掘りが必要ですが、さらに「問い」を繰り返し続けることで、根拠のない意見やデータに振り回されることを防ぎながら事象の核心部にアプローチできるようになり、自信を持って判断を下すことができるようになります。 ● 自分の感情に基づく情報と論理的な情報を区別する また、情報を見極める際には、自分自身の感情に基づく情報と、論理的に裏付けられた情報を区別することも必要です。感情に基づいた判断は、必ずしも論理的な理由を必要としない場合もありますが、ビジネスや重要な意思決定の場面では、論理的な根拠に基づいた判断が求められます。 例えば、「なぜピカソが好きなの?」と聞かれても、「好きだから好き」という回答しかできないことがあります。これは感情に基づいた純粋な好みであり、必ずしも論理的に説明する必要はありません。一方で、ビジネスにおける判断は「感情」だけではなく、論理とデータを求められることがほとんどです。「新規事業を開始する」といった決定を下す際には、「なぜこの事業を選ぶのか?」や「市場調査の結果はどうか?」といった具体的な理由や根拠を示すことが必要です。