ギャルモデルから“経営者”になった32歳女性。「やりたいことを貫き通す」不屈のギャルマインドを糧に
ネイルでキーボードをカチャカチャ…
「父親の知人が自己破産してしまい、父親が連帯保証人になっていたことから4000万円の借金を抱えることに。私も家計を助けるべく、大学を中退することにしたんです。その時にアルバイト先の社長に相談したら、正社員にしてもらえました」 正社員になる少し前に、黒ギャルから白ギャルに転身したと語る。ギャルは「だいたいみんな、25歳くらいで白に戻る」のだとか。 肌の色のほかにも、ギャルとしての見た目に変化はあったのだろうか? 「会社では割と服装が自由だったので、髪の色を黒くしたことはないです。ネイルをしていて爪も長かったので、パソコンのキーボードを叩くとカチャカチャと音が響いていました(笑)」
ギャルモデルは25歳で引退、会社員を辞めて起業
20代前半の頃にはギャルモデルの事務所から声がかかり、ファッション雑誌やファッションショーなど、モデル活動もしていたという。 「当時は筋トレにはまっていたんです。それもあって、トレーニングモデルの活動をさせてもらえることになりました。トレーニングウェアを着てファッションイベントに出たり、他には活動の一部でジムに行ったりもしていましたね。4つのスポーツジムと契約して、パーソナルトレーニングを受けて、オープンエリアで筋トレをして……めちゃくちゃ体育会系でした」 ギャルモデルは25歳まで続けたそうだ。26歳で会社員を辞めて、現在の会社を起業するに至った。 「まずは大阪で3畳のシェアオフィスから3名で、現在の『株式会社アンドエーアイ』の前身である『株式会社ドリグロ』をスタートしました」 経営者としてギャルとは無縁に……と思いきや、意外な形でつながっていた。
“表現したい”という願いを押さえつけない
なんと、大阪オフィスのスタッフには「絶滅危惧種の黒ギャルが1人いる」とのこと。 「ギャル時代に一緒に海の家で働いていた人が、大阪オフィスの事務をやってくれています。信頼してるので、会社のお金まわりのことも安心して任せられます。ちなみに彼女の肌の色は、今でも真っ黒です(笑)」 会社では四半期に一度、バーベキューパーティーなどのイベントを行っているとか。その時にも「黒ギャル」の社員が大活躍しているそうだ。 「うちの社員はエンジニアが多いのですが、そのなかでも彼女はめちゃくちゃ盛り上げてくれます。彼女くらいパリピでムードメーカーな社員はいないんじゃないかな」 他にも、さまざまなところで、ギャルマインドは生きている。 西さんは、起業した会社でも、服装は自由にしたという。ここにも「“表現したい”という願いを押さえつけない」という想いが垣間見られる。 「さすがにハーフパンツにサンダルはダメだけど、長いズボンにサンダルならOK、ハーフパンツにシューズならOKにしています。髪の色も長さも自由にしていますが、誰も髪を染めていないので、社長の私だけ明るかったりするんですけどね」 ――「なりたい姿になる」という、不屈のギャルマインド。そこには「年齢や肩書きを理由にして、やりたいことを諦める」という選択肢はない。臨機応変に形を変えながらも、自分のスタイルを貫き通す。この姿勢には男女を問わず、学ぶものが多いはずだ。 <取材・文/綾部まと、撮影/長谷英史、編集/藤井厚年> ―[西真央]― 【綾部まと】 ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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