ガイドブックには載らない「奈良の魅力」、老舗が手掛ける新・観光案内所が誕生 無料のガイドブックも
■ 楽しい! 自分だけのオリジナルガイドブック
さらに、「奈良独特の風土」を味わってもらうため、各スポットの歴史や文化といった背景を一緒に伝えることにも心を砕いたという。例えば、奈良県南部の温泉の紹介の場合は、修験道との関わりを一緒に紹介する予定とのこと。 これらの気になるカードを集めて、キオスクのような「コミュニケーションスタンド」へ持って行くと、専用のバインダーが用意されているので、ローカルマップと一緒に綴じれば、自分だけのオリジナルガイドブックをつくることが可能だ(無料)。 「旬」のエリアのカードは、季節ごとに刷新されるので、訪れる度に最新の情報を得ることができる。現在は、奈良国立博物館で開催中の「正倉院展」の紹介など秋の企画だが、12月からは冬の企画に変わる。 社員として奈良で暮らしてから、奈良の魅力にどっぷりはまってしまった佐藤さんは、「奈良は、温故知新の言葉がよくはまります。古いのに進化している魅力があります」と力説。この「奈良風土案内所」がモデルケースになれば、今後は全国へと横展開していく可能性もあるそう。 その他にも、奈良の風土が育んだシーズンごとに変わる定番土産や食を紹介する物販コーナーが設けられ、麻織物の商いで創業した中川政七商店の約300年の歴史に触れる館内ガイドツアーも毎日2回開催される(無料)。 取材・文・写真/いずみゆか