青学大・原晋監督がぼやいた「まさかの3位よ。びっくりしたなあ、もう」箱根駅伝まで2カ月、青学大の誤算「差がついたのは『中間層』」「やりますよ、箱根は」
「まさかの3位よ。びっくりしたなあ、もう」 全日本大学駅伝のフィニッシュ地点の近く、青山学院大の原晋監督はTVerを見ながら、そう話した。 【現地写真】「え、エグイ…」壮絶だった“太田蒼生vs平林清澄”デッドヒート&「負けたのにニッコリ」な原監督などすべて見る ただし、駒澤に1区から独走を許し、なすすべなく敗れた昨年のような「陰」なムードはない。3位という現実を目の当たりにしても、「陽キャ」の原監督がそこにいた。 「駒澤のアンカーの山川(拓馬)君、これはすごい。天晴れ。国学院も……これは強いね。ただ、ウチもなかなか良かったのよ。これ、負け惜しみじゃなくて」
「勝ったと思った瞬間が2度あった」
今回の全日本は、期せずして上位勢は出雲とまったく同じ順位になった。1位国学院、2位駒澤、3位青学、4位創価、5位早稲田、6位城西(出雲はアイビーリーグを除く)。しかし、原監督は出雲と全日本では同じ3位でも意味がまったく違うと話す。 「出雲の時は、先頭に立っていても、一度も勝ったとは思えんかった。なんだか、スッキリしないレースでね。ただ、今回は勝ったと思った瞬間が2度あった。ひとつは、2区で鶴川(正也・4年)が先頭でタスキを渡した時。創価の吉田(響・4年)君に競り勝ったということだけじゃなく、国学院と54秒差、そして駒澤には2分23秒も差をつけたんだから」 そしてもう一度は、4区で黒田朝日(3年)が区間新記録の快走を見せた時も「勝った」と思ったという。 「黒田、すごかったね。“中押し”が出来て、これはもらったと思ったね」
原監督「差が出たのは『中間層』だよね」
前半4区間が終わった時点で、首位の青山学院は3位の国学院に1分27秒、2区の不振が響き、5位に沈んでいた駒澤に2分25秒の大差をつけていた。しかし、ここから国学院の逆襲が始まる。 国学院は5区で野中恒亨(2年)、6区に山本歩夢(4年)を配置、両者が区間賞を獲得し、6区終了時点で首位青山学院とはわずか4秒差、手を伸ばせば届く位置にまで差を縮めた。 では、青山学院の出来が悪かったかというと、そんなことはない。5区を走ったキャプテンの田中悠登(4年)、6区の白石光星(4年)は、田中が区間4位、白石にいたっては区間2位の好走。しかし、この2区間で国学院に背中を捉えられ、守勢に回らざるを得なかった。 出雲、全日本で画期的だったのは、優勝した国学院大の前田康弘監督が、「後半型」のオーダーを組み、逆転に成功したことだ。 出雲では4区から6区まで区間賞、全日本では従来、「つなぎ区間」と見られてきた5区、6区に実力者を投入し、大きな戦果を収めた。原監督は言う。 「今回のレースは、ものすごく勉強になります。ウチだってエースは負けてない。2区の鶴川、4区の黒田、それに7区で区間2位の太田(蒼生・4年)は、他校のエースと十分に戦える存在です。差が出たのは、5区、6区に象徴されるように、『中間層』だよね」 中間層。俗にチームで5番手前後の選手たちのことを指す。ここでの差が勝敗に直結した。
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