【Challenge! 新人競輪選手紹介】小林諒「『ダイヤモンドのメンタルしているな』と言われた」
125期、126期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は元選手の父・正明さんの背中を追い、ガールズケイリンの世界に飛び込んだ小林諒(20=京都)をピックアップ。 幼いころから競輪選手の父(引退、正明・88期)の背中を見て育ちながらも、当初の夢は競輪選手ではなくゴルフ選手になることだった。4歳のころから父と二人三脚でゴルフに取り組み、プロを目指して大会にも出場していたという。転機が訪れたのは小学4年生のとき。「マンガ『弱虫ペダル』を見て、競輪選手になりたいと思ったんです。それまでは落車の映像を見て怖かったのもあったけどイメージが変わりました」と振り返る。 ロードレースの大会に参加するようになると、瞬く間に力をつけ、中学3年になると、自転車競技の名門校・松山学院高校から声がかかるまでに成長。京都を離れ、愛媛への越境留学を決意する。 同級生には、阿部英斗(福岡・125期)やパリ五輪に出場した垣田真穂らがいる。「垣田さんは強すぎて…毎日鍛えられたし、負けたくないという気持ちで頑張れました」と高いレベルで競い合える仲間の存在がさらなる成長をうながした。 高校時代は大きなケガとの戦いでもあった。右鎖骨と左手のにぎりこぶしを骨折、さらには、アゴの付け根を粉砕骨折する重傷に見舞われた。「そこから今も歯並びがガタガタなんですよ~」と笑うが、乗り越えられたのは、誰にも負けない気持ちの強さがあったからだ。 「ケガにも屈することなく、明るくここまで来れたし、寮生活でも苦労はあったけど、ポジティブに捉えていました。阿部英斗にも『ダイヤモンドのメンタルしているな』と言われたのを覚えてます(笑い)」 高校卒業後は京都に戻り、父の正明さんとともに特訓を重ねた結果、日本競輪選手養成所に見事一発合格。「養成所では高校時代に対戦した選手たちがさらに強くなっていて、全然勝てず苦戦しました」。それでも前向きな姿勢を失わず、5月富山のルーキーシリーズで無事にプロとしてのスタートを切った。 デビュー以来、まだ勝利はつかめてないが、現状を冷静に受け止めている。「勝負どころで最後まで付いていけたら持ち味を生かせるけど、まくりやダッシュで千切れることが多く、トップスピードや初速がまだまだ足りていません」と課題を分析。ゆくゆくは「久米詩選手みたいに自在に活躍できる強い選手になりたい」と未来を見据えている。 「今はシンプルに点数を少しでも上げたいですね」 どんな困難にも負けない〝ダイヤモンドのメンタル〟を武器に、何カラットにも輝くその日に向け、歩みを進めていく。 Q&A ――趣味は 最近、またゴルフを始めたんです。でも自分のクラブを持ってないので、(賞金で)買えるように頑張ります。 ――ほかには? 歌うことが好きなので、ヒマがあればどこでも歌ってます。シャワー浴びながら? もちろんです!。 ――開催中の過ごし方は? マンガを読んでます。先日の奈良は「キングダム」の最新刊をコンビニでゲットしてから前検入りしました。 ☆こばやし・りょう 2004年11月28日生まれ、京都府出身。155センチ、55キロ。養成所順位17位。師匠は父の正明さん。あだ名は「コバリョー」。
東スポWEB