警察署の草刈りを10年以上続ける90歳と86歳のボランティア 「安心して暮らせるのは署のおかげ」と謝礼受け取らず
鹿児島県阿久根市赤瀬川の小田利雄さん(90)と同、鳥越廣信さん(86)はボランティアで10年以上、阿久根警察署の草刈りを続ける。「住民の安全を守る警察官には快適に過ごしてほしい」と語る2人に、同署などが感謝状を贈った。 花屋ない島に「母の日」届け40年超 カーネーションおじさん、念願の十島村巡り 感謝の言葉に「続けてよかった」
2人はそれぞれ署の近くに住む。年に数回、雑草が伸びてくると「そろそろじゃ」と草刈り機持参で連れ立って来ては、敷地の中から周辺のやぶまできれいにして帰って行く。 小田さんはNTTを定年退職後、ボランティアがライフワーク。署や道路沿いの草刈り、川のごみ拾いに加え、困っている人がいると聞けば駆け付ける。 鳥越さんは建材会社を営み、署の駐車場が雨でぬかるむのを見かねて、重機や砂利を持ち込み整地したこともある。 署から謝礼を申し出ても2人は「安心して暮らせるのは警察署があるから」と受け取らない。せめて気持ちを表したいと、昨年は鳥越さん、今年は小田さんに感謝状と記念品を贈った。 贈呈式は10月29日にあった。「楽しみで作業している。マグロと一緒で、体を動かし続けないと死んでしまうから」と2人。春田和弘署長は「感謝してもしきれない。思いに応え、しっかりと住民の安全を守っていく」と誓っていた。
南日本新聞 | 鹿児島