初の函館で〝タケゾー〟永野猛蔵騎手が躍動!「人気のない馬でも上位にこられて自信になりました」
初参戦の北海道シリーズを足掛かりに、さらなる飛躍へ―。デビュー4年目の永野猛蔵騎手(21)=美・伊藤圭=が、函館で存在感を放っている。 開幕週は8日の松前特別をエープラスで制するなど【1・2・2・9】。ペリプルス(12番人気3着)やタシロ(14番人気3着)、ワイアウ(13番人気4着)と人気薄でも上位争いに持ち込み、「人気のない馬でも上位にこられて、自信になりました」と確かな手応えを得ている。 活躍の背景には、進路取りへの意識があった。「芝でもダートでもロスなく立ち回って、あいたところを縫っていく競馬が理想的だと感じました。そういう乗り方をしないと人気馬との差を埋められませんし、これからもっと勉強していきたいです」。普段騎乗している中山よりも、さらに小回りの舞台。身動きが取れなくなるリスクを覚悟のうえで、タイトな騎乗を心掛けたことが好結果につながっている。 函館滞在は今年が初めて。「関西のジョッキーも多いですし、違う環境を求めて自分自身勉強していければ」と、戦いの拠点を北の大地に据えた。朝一番からコース閉門間際まで、熱心に調教に騎乗している。「同じ馬に毎日乗れるので、自分で馬を作っていく楽しみもあります」。12日は12頭もの調教にまたがったが、言葉には疲労感よりも充実感が宿っていた。 当面の目標に掲げるJRA通算100勝まで〝マジック6〟。達成に向けて、今週も楽しみな馬がスタンバイしている。15日の5R(2歳新馬、芝1200メートル)でデビューを予定しているニシノラヴァンダだ。「スタートがめちゃくちゃうまい子です。まだ自分からガツガツいくタイプではありませんが、きょう(12日)新馬の3頭で併せたら一番動きが良かったですね。テンションも上がっていないですし、初戦からやれると思います」と自然と声が弾んだ。 「まずは1つ1つ積み重ねていきたい。重賞も取りたいですね」。爽やかな潮風が、躍進を誓うタケゾーの背中を後押しする。(山口遥暉)