【バドミントン】代表HC不満爆発「本当に残念」協会不祥事、強化費5億円削減で合宿大幅縮小
バドミントン日本代表の朴柱奉(パク・ジュボン)ヘッドコーチ(HC)が11日、都内で取材に応じ、強化費削減による代表活動の縮小への不満をあらわにした。 日本バドミントン協会では、22年に公金横領事件が発覚。昨年6月に就任した村井満会長のもと、経営健全化への施策が進められているが、24年度の強化費は前年度比で約5億円減の約3億円となっている。その影響により、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)などで実施予定だった代表合宿も大幅に縮小。4月以降ですでに2度も合宿が中止となり、7月11日からNTCで実施するパリオリンピック(五輪)直前合宿も、当初の予定から約1週間短縮されるという。 朴HCは「本当にショック。現場の意見で(合宿開催へ)頑張っていましたが、本当に残念」と嘆いた。現在は各種目の担当コーチが全国各地の所属チームへ巡回して指導にあたっているが、設備が充実したNTCで練習ができないのは大きな痛手。「トレーニングセンターであれば、食べ物やトレーナーのサポートなど、いろいろなインフォメーションがある。ビデオ分析もスタッフがすぐに対応できるチャンスがある。練習のクオリティーが絶対に違うと思う」と正直な思いを吐露する。 さらに合宿の縮小が、選手のモチベーションにも影響を与えかねないと指摘。「(五輪直前は)他のスポーツの合宿もある。(NTCには)オリンピック前の集中した雰囲気もある。(バドミントン代表も)気持ちや集中力が高くなると思うが、これが実現できなかったのは本当に残念」と苦渋の表情を浮かべた。 日本代表は7月20日に出国し、同27日からの本番へ備える。3年前の東京五輪ではメダルラッシュを期待されながら、メダル獲得は混合ダブルスの東野有紗、渡辺勇大組(BIPROGY)の銅のみにとどまった。同HCは「五輪はメンタルや心理がとても大事。どこまで我慢ができるか、どこまで自分たちの試合ができるか」と奮起を促した。