スポーツ指導、メンタルに配慮を 丁寧なアプローチが必要
高圧的な言動では力は伸ばせない―。10月、東京都内で開かれたスポーツの指導者向け研修会で、子どもの成長を促すにはメンタルヘルスに配慮したコーチングが重要であることが説かれた。女子テニスの大坂なおみとともに社会貢献活動を展開するスポーツ用品大手ナイキなどが主催し、全国からスポーツクラブや部活動などの指導者約50人が参加した。 脳科学の知見によると、試合に負けたり、ミスをしたりすると「体が固まったり、練習から逃げ出したりするなど、理性的な行動ができなくなる」という。この状態では、指導者の言葉も耳に入らない。 対処法は、ミスした後のルーティンをつくることや、子どもの考えを積極的に質問すること。丁寧なアプローチが必要で「暴力的な指導は逆効果」と強調された。研修会では、グループに分かれてミニゲームを実施。負けたチームが気分転換にハイタッチするなど、実際にルーティンの効果を体験した。 うつを告白して四大大会を欠場した経験がある大坂のように、近年はメンタルの問題に悩まされるアスリートが多い。