大谷翔平の「呪縛」が解けた リーグ最多安打なのになぜか出ていなかった得点圏での安打
◆米大リーグ ドジャース4―9メッツ(19日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) 【写真】試合を観戦した真美子夫人と愛犬・デコピン ドジャース・大谷翔平投手(29)が19日(日本時間20日)、本拠地・メッツ戦に「2番・DH」で先発出場。5回に得点圏に走者を置いた打席では21打席ぶりの安打となる右前適時打を放った。4点ビハインドから一時は同点に追いつく反撃を演出し、観戦した真美子夫人(27)の前で雄姿を見せた。 呪縛を解き、大谷は右拳を力強く握りしめた。3点を追う5回2死一、二塁でマナイアの6球目、78・6マイル(約126・5キロ)スライダーを右前に打ち返した。打球速度107・8マイル(約173・5キロ)の適時打。3月20日の開幕戦(韓国・ソウル、対パドレス)以来、得点圏では実に21打席ぶりとなるヒットで、劣勢から一時は同点に追いつく反撃ムードをつくり出した。 16日(同17日)の本拠地・ナショナルズ戦では2~4打席目はいずれも得点圏で初球凡退。同場面は20打席連続無安打となっていた。しかし、この日は5回の好機も初球からスイングを仕掛ける積極性を失わず。激動の毎日の中で「いてくれて良かった」と心の支えにもなっている真美子夫人、デコピンが観戦に訪れた試合で雄姿を届けた。 劣勢の試合を動かした。4点を追う4回先頭の打席で四球を選ぶと、連続試合出塁を「18」に伸ばす。2死となってから今季5個目、初の2戦連続となる盗塁を決め、T・ヘルナンデスの右前適時打で二塁から生還した。最近6試合で4盗塁とキャンプから取り組んできた走塁練習の成果が表れており、ロバーツ監督は「翔平の走塁は賢い。今日も彼の盗塁がなければ、最初の得点はなかった。彼は我々のために何かを起こそうとトライしている」と、ここ7試合で5敗のチームの中で輝きを放つ大谷に賛辞を贈った。 これで6試合連続ノーアーチ。松井秀喜氏(ヤンキースなど)を超え、日本人歴代単独トップとなる米通算176号はお預けとなったが、32安打はリーグ単独トップとなった。ドミニカ共和国のメディア「Z101」のディレクター、ヘクター・ゴメス氏は自身のXで、通算722試合に出場した時点で大谷とベーブ・ルースが同じ175本塁打であることなどを伝えた。現代を生きる二刀流は、さらなる高みを目指していく。(中村 晃大)
報知新聞社