車にひかれた母猫のそばで鳴いていた子猫 カナブンで飢えしのぎ、目の癒着治った姿に感動「保護猫から過保護猫に」
先住のウサギと仲良しに…直後、訪れた悲しい別れ
古谷さんは、過去に実家で猫と一緒に暮らしたことがありました。その猫はとても長生きをしてくれましたが、最期を看取ることができなかったため、ずっと心残りがあったそう。「しらすと出会ったあの日、今にも消えてしまいそうな命に背を向けることはできませんでした」と語っています。 当時、古谷さんはネザーランド・ドワーフというウサギの「まるこ」くんと一緒に暮らしていました。どうぶつのお世話をしながら日々を過ごすことに慣れていたため、しらすくんをお迎えしたあと大変だと思うことは無かったといいます。 唯一、気を遣ったことは、しらすくんとまるこくんの上下関係をはっきりとさせることでした。まるこくんは、ウサギの中で最も小柄な品種。そのため、しらすくんが成長し体が大きくなったとき、まるこくんが傷つくようなトラブルが起こらないようにしなければいけないと考えたのです。 ところが、古谷さんの心配は、杞憂に終わりました。猫とウサギという種族を超えて、しらすくんとまるこくんは仲良くなったのです。 そうして夏の盛りが過ぎ、秋が始まるころ、悲しい出来事が起こりました。まるこくんが、8歳6カ月で虹の橋を渡ったのです。古谷さんはペットロスに苦しみ、しらすくんもまた、まるこくんの姿を探して鳴き続け、体調を崩してしまいました。胃腸の動きが弱まってしまったのです。 当初は、何らかを誤飲した可能性を探りましたが、のちに、まるこくんを亡くしたストレスによる症状であることがわかりました。「しばらくして復調しましたが、あのときのしらすの辛そうな姿は今も目に焼き付いて離れません」と古谷さんは振り返ります。 「しらすのほうがよほど悲しいのかもしれない」と思うようになった古谷さん。「しらす、ウサギさん、私。また、以前のような“家族関係”を築けたら……」と願うようになります。 そうして縁あって出会ったのが、まるこくんと同じネザーランド・ドワーフの「てん」ちゃんでした。 しらすくんとてんちゃんは、すぐ仲良しに。まるこくんとの楽しい思い出を胸に、古谷さんたちは、再び、前を向いて歩み始めました。