車にひかれた母猫のそばで鳴いていた子猫 カナブンで飢えしのぎ、目の癒着治った姿に感動「保護猫から過保護猫に」
車にひかれて絶命した猫のそばで、必死に鳴き叫んでいた子猫たち。そのうちの一匹、ガリガリに痩せ、目が癒着してしまった「しらす」くんとX(旧Twitter)ユーザー・古谷あつみ(@railway_atsumin)さんとの出会いは、まさに運命的なものでした……。 【写真】1年後に片目が回復し、この後もう一方の目も良くなりました! 2024年6月、元保護猫の「しらす」くん(取材時、1歳)は、古谷さんのおうちに迎えられて1年の記念日を迎えました。 古谷さんは自身のXで、「カナブン食べて生きていた野良猫が我が家に来て1年。ビフォーアフターを見てほしい。今はカナブンどころか、安いカリカリは食べません。保護猫から過保護猫に。幸せだとうれしい」と、しらすくんの成長を振り返るコメントを投稿。 リプライには「良かった。壮絶な野良時代でしたね。今は絶対幸せです」「『幸せだよ!』そう言っている表情に見えます」「とてもかわいい猫です。末永く幸せに暮らしていけますように」など、祝福する声が寄せられました。 一時は、命の危機に瀕し、緊張が続く日々を送っていたと言います。“ふたり”はどのように過酷な状況を乗り越えたのでしょうか。詳しいお話を伺いました。
痩せ細っていたしらすくん…知人の力をかりて子猫たちを緊急保護
しらすくんとの出会いは、夏の始まりを感じさせる6月の蒸し暑い日でした。古谷さんが自転車で帰宅途中、路上で車にひかれて絶命した猫のそばで、ミャーミャーと鳴いている4匹の子猫を発見。急いでコンビニで食べ物を買い、子猫たちに与えましたが、しらすくんだけは他の子に押しのけられて食べられない状態でした。 「しらすだけが取り残されたように見えたのです。放っておけませんでした」と古谷さんは振り返ります。 やむなく3匹の子猫は保護猫団体に託し、しらすくんを連れて動物病院へ向かいました。病院での診察の結果、しらすくんは猫風邪を患っており、体重もわずか700グラム。「医師には、生後1カ月半ほどに見えると言われましたが、実際には2カ月半くらいだったんです。それほど痩せていたんですよ」と古谷さん。 また、保護団体に託された3匹の子猫の排泄物からはカナブンのような昆虫の羽が確認され、食べるものがなかったために、昆虫を口にして飢えをしのいでいたことがわかりました。 古谷さんと知人の懸命なケアを受け、しらすくんと3匹の子猫は少しずつ体調を回復。しらすくんは古谷さんのおうちへ、3匹の子猫もそれぞれ里親さんのもとへ、“きょうだい”そろって新たな猫生を歩み始めたのです。 それから4カ月後、しらすくんの体調はすっかり安定し、去勢と目の手術を受けました。「手術後も、癒着がひどくて左目しか見えるようになりませんでした。一度は、右目の手術はあきらめようと思ったのですが……。術後の経過がとても良く、信頼できる医師と出会えたこともあって、再手術を決断しました」と古谷さん。 古谷さんの思いと医師の力が合わさり、2度目の手術は成功。しらすくんはついに両目の視界を取り戻しました。