大阪発 新しい簡易印刷キットで「刷りまっか」?
大阪発 新しい簡易印刷キットで「刷りまっか」? THEPAGE大阪
シルクスクリーンという印刷技法の可能性を広げる新しい簡易印刷キットが大阪で開発され、まもなく発売される。商品名は「SURIMACCA(すりまっか)」。大阪弁の「刷りまっか」に由来する。海外ではシルクスクリーンを駆使する芸術家も多いため、開発スタッフは「大阪発の新技術で、世界中のクリエイターをサポートしたい」と夢を膨らます。
遊んでいたおもちゃからアイデアひらめき
「SURIMACCA」を開発したのは、大阪市北区のレトロ印刷JAM。同社はシルクスクリーンや昔懐かしい謄写版(ガリ版)など、孔版印刷技術による印刷事業に専門特化。文字や絵柄がずれたり、かすれたりする孔版印刷の短所を「持ち味」ととらえ、手作り感覚を楽しむ新しい印刷文化を提案してきた。 個人からの小口の印刷注文に応じるほか、一部をオープン工房として公開。若者グループや家族連れなどが訪れ、オンリーワンの作品づくりに打ち込んでいる。 シルクスクリーンはメッシュ状の版に孔(あな)を作り、孔の部分にだけインクを付けて印刷する。同社は従来から簡易型シルクスクリーンキット「TOY」を提供してきた。手堅い支持を集めてきたが、印刷のサイズを決めるフレームが限定されていた。そこで、開発スタッフの中村慎吾さんが、改良の余地を探っていたところ、突然天からヒントが降ってきたという。 「自宅で組み立て式のおもちゃで遊んでいたとき、いろんなブロックのパーツを組み合わせると、フレームを必要なかたちやサイズにできるのではないかと、ひらめきました。ほんの一瞬の出来事ですが、手ごたえを感じましたね」(中村さん) やはり開発担当者は遊ばなければいけない。さっそくラフデザイン画などを描き、会社幹部らに提案。「面白い」とゴーサインが出たため、外部の専門家に協力を要請し、実用化へこぎつけた。そして、大阪発のヒット商品となるよう「大阪の魂を込めて」(中村さん)、「SURIMACCA」と命名した。